5月16日 日曜日 曇り
長い昼寝。
西武の松坂は13奪三振でオリックスを完封。
イチローは3三振。
アナウンサーのはしゃぎぶりはなんだか別世界の出来事みたいだった。
このはしゃぎぶりを見るにつけ、つくづく松坂が巨人に行かなくて良かったと思う。
巨人の上原がカスんでいるのが痛快。
普通のシーズンだったら、巨人のルーキーがこの段階で4勝してたら大騒ぎになっていたはず(「21世紀のスーパーエース」とかそういう扱いになっていたと思う)だが、松坂のおかげで、上原クンはいたって地味な投手になってしまっている。本人が地味な性格(去年のタカハシもそうだ)だったりするのも良い。このまま巨人は極力地味なチームになって行ってほしい。地味でクールな若手と曲がった性格のロートル。老監督の孤独。メディアの上滑り。ナベツネの耄碌。
いいぞ。

松坂クンにはこのまま順調に成長していただいて、2年後ぐらいにメジャーに行ってもらうことにしよう。
イチローもメジャー。
松井もメジャー。
成功するかどうかはともかく、いい選手は全部メジャーに行ってもらう。
その方が彼らのためでもある。
で、日本のペナントレースはメジャーをお払い箱になったロートルのための年金リーグとして静かに営業される。
観客席は酔っ払いのオヤジと水商売のねえちゃんだけ。
……じきに子供たちは誰も野球なんかやらないようになる。
甲子園の高校野球も閑古鳥。
関西ローカルのU局が地味に中継する中、坊主頭の不良少年がビーンボール合戦を展開。
いいぞ。
日本サッカーの21世紀は明るい。



5月17日 月曜日 晴れ
 ペルージャがアウェーでウディネーゼに勝利。
 得点シーンしか観なかったが、1点目の前の中田のドリブルは非常にパワフルだった。
 こんなに当たりに強い選手だったとは。意外だ。
 中田は、見るたびに良くなるような気がする。
 この種の当たりの強さは、きっとJリーグにいたままでは身につかなかったと思う。
 やはり、荒波の中に身を置かなければ、波乗りの技術は身につかないということなのだろう。
 小野クンはボローニャのオファーを蹴るようだが、いいのだろうか。
 遅くとも来年には海外に出てほしい。
 超一流の沼サーファーというのもそれはそれでたいしたものだけど。

 「高額納税者」が発表された。  いわゆる「長者番付」というやつだ。  各局ともニュースは、この話題でかなりの時間を埋めていた。  それにしても毎年思うのだが、テレビ(新聞も)が、「高額納税者リスト」を必ず「長者番付」と言い替えて説明するのはどうしてなんだろう?  どうして、そのまま「高額納税者」と呼んであげないんだ?  庶民の嫉妬心に媚びているのだろうか?  なるほど「高額納税者」と言うと「社会に貢献した人」という感じがするのに対して、「長者」(「株長者」だとか「土地長者」だとか)という言い方には「アブク銭を手にした強欲な人々」みたいなイメージがある。  でなくても、「長者」という言葉には、いかにも「田舎の成り金」といった響きがある。    スポーツ界は、プロ野球選手の圧勝。
 ま、汚れ仕事だからな。


5月18日 火曜日 晴れ
 首都圏各所にあるオウム真理教の施設に対して、1都4県の警察による一斉家宅捜索がおこなわれた。
川上村のプレハブ小屋では、松本智津夫被告や上祐史浩服役囚ら幹部の写真や機関紙など教団に関連する物品のほか放射能測定器も見つかった。捜索は19日も行われる。(毎日新聞)
 放射能測定器。相変わらずオタクな連中だなあ。


5月19日 水曜日 雨のち曇り
 巣鴨。
 帰宅後、磐田VSセレッソ大阪をTV観戦。
 1-2でセレッソの勝ち。
 真中選手の不可思議な決定力。
 うまいわけではない。
 速いわけでも強いわけでもない。
 それでもなぜか、時々決定的な仕事をする。
 アントラーズにいた時からそうだった。
 この真中という選手はどこがいいのかわからないのだが、なぜか決定的な点を決める。
 高原は疲れているようだった。藤田もバテている感じ。奥もヘロヘロ。
 まさかとは思うが連敗してヴェルディ優勝なんてことだけにはならないでほしい。


5月20日 木曜日 曇り
 S誌に目を通す。
 巻頭のコラム子は
「日本人には、国のために死ぬ覚悟があるんだろうか」
 と言っている。
 ふむ。
 君たちのいう「国」というのは、具体的には何を指しているんだ?
「国土」「国民」あるいは「国家体制」か? それとも「国家」という概念か?
 でないとすると、もしかしてまさかとは思うが「国体」か?
 はっきりさせてくれ。
 なにしろ命がかかってるんだから。
 
 もうひとつ。
「死ぬ」というのはどういうことだ?
 私の死が、どういうふうに私の国のためになるんだ?
 そのへんのところをもう少し詳しく説明してくれるとありがたい。

 もうひとつある。
 「国のため」と言う時の「ため」は、実質的にはどういうことなんだ?
 防衛? それとも版図の拡大? 経済的繁栄? あるいは「国際社会における誇りある地位」とか、そういったたぐいのお話か?
 いずれにしろ、「これも国のためだ」式の通り一遍な説明で「ああそうですか」と無邪気に鉄砲を担ぐわけにはいかないな、オレは。
 
 国家権力を掌握している人間の利益を守るために、国民が命を捨てねばならないような国があるんだとしたら、先に死ぬべきなのは国民より国家の方だということになるが、君たちはこの答えで満足してくれるだろうか?

 公の思想?
 ははは。
 「公」という字を良く見てごらん。
 ハムというのは、死んだ肉で出来ているんだぜ。

 「国のために死ぬ」ということの中には、「国家転覆を図る革命分子と闘う」ことも含まれているんだろうか?
 とすると、少し問題がある。
 だって「革命分子」も、彼らの意識の中では国のために革命をやっているはずだからだ。

 「国」というのは何だ?
 君たちの想定する「国」と革命分子の想定する「国」が違うものなのだとしたら、そりゃ単に内乱ってことにならないか?
 逆に訊ねるが、君たちは、国民に死を要求するような国に対して忠誠を尽くすことができるのか?

 ついでに言えば、君たちが二言目には口にする「愛する者や家族が目の前で殺されているのを黙って座視するのか」式の設問は、無効だよ。
 覚えておくと良い。
 質問は、答えを限定する。
 より詳しく言うなら、質問というのは、時に、回答者の思考形式を限定するための手段として用いられるということだ。
 とくにイエス・ノーで答えさせるタイプの質問形式は、多くの場合、回答者を、質問者の側があらかじめ用意した枠組みにはめ込む罠として機能する。
「ということは、君は自分の妻や娘が敵国の兵隊に輪姦されてもかまわないというんだな?」
「アムウェイに参加して自らを向上させるか、それともこのまま惰性のうちに生きるのか、あなたはどちらを選ぶのですか?」
「ねえ、答えてよ。私と別れたいの、それともこのいやらしいトカゲをあきらめるの?」
「無茶言うなよ。酒をやめろなんて、オレに死ねって言うのか?」
「ママにはっきり説明してちょうだい。どっちがいいの? 算数の塾に行くのと、うちの子でなくなるのと?」
 枠組みは常に悪用される。
 「国を守る」ということと「家族を守る」ということが無批判に同一視されているような質問は、発された時点で既に罠だってことだ。
 家族が暴漢に襲われている状況と国が戦争をしている状況は同じものではない。
 それどころか、逆かもしれない。
 だって、相手の国にとっては、暴漢はこちらということになるからね。
 つまり、君たちの質問の意図は、仮想敵国を強盗殺人犯に仕立て上げるところにあるわけで、国防とはまったく関係がないのだよ。

 兵隊が何を守るか知っているか?
 国土?
 ははは。
 幸運な場合、結果として兵隊が国土を守ることもあるだろう。
 しかし、たいていの場合、兵隊が守るのはなによりもまず、軍隊の秩序であり、上官の命令だ。
 そして軍隊の機能はなによりもまず殺人であって防衛ではない。
 殺人が防衛の手段になるということが事実であるにしろ、軍隊の本意は防衛にはない。あくまでも殺人ということが彼らの動機であり目的であり存在意義です。
 さらに言うなら、その軍隊が命にかえて防衛するのは、国民の安全ではなくて、権力者の意志だよ。
 権力者の意志が国防にあればそれでいいじゃないかって?
 そうかもしれない。
 しかし、その権力者と対立する陣営の権力者の意志もまた国防にある。
 そして、国防という概念は敵の側から見れば侵略と区別がつきにくいものだ。
 ってことは、忠良な国民をかかえた2人の権力者は、自身の国防のために互いに侵略をし合うことにならないか?
 国のために命を捨てるのはけっこうだ。
 が、それが相互侵略のためだとしたら、犬死にどころか無理心中じゃないか

 やめよう。
 興奮するのは良くない。
 興奮するのはかまわないかもしれないが、得意先の機嫌をそこねるのは良くない。


5月21日 金曜日 晴れ
 J2の得点王、大宮アルディージャのヨルン選手が六本木で刺された。
 左目失明のおそれ。
 なんでもアラブ系の外国人にナイフでやられたという。
 どうしてアラブ人が酒場にいたんだろう?
 アラブ髭で変装した誰かってことはないんだろうか?


5月22日 土曜日 晴れ
 初夏の陽気。
 午後6時半より、テレビ埼玉にてレッズVSアビスパ戦を録画で確認。
●レッズVSアビスパ
 結果は1-2でVゴール負け。
 嫌な展開の、嫌な試合だった。
 しかも、嫌な結果に終わった。
 ペトロはなんだか調子が狂っていた。
 走りすぎ、持ちすぎ、狙いすぎで、後半ロスタイムのFKも小野君を押しのけて蹴ろうとしていた。
 小野クンと何かマズいことになっているんだろうか?
 ここのところ、ペトロは不自然なほど小野を無視している。
 あげくの果てに、強引にPKを蹴って失敗。
 ペトロよ。どうしたんだ。
「どうしたもこうしたもないさ。ただムチャクチャってことだよ」
 おお、ペトロよ。心配していたんだぞ。球団のHPによれば、君の胆のうには石があるというじゃないか。
「ああ。オレの胸にはずっしりと重たい石がある」
 違うよ。私の言っているのは胆石のことだ。
「そうだよ。命旦夕にあり……ってわけで、祖国の命運もいまや風前の……」
 ペトロ。この際、国のことは忘れろよ。
「国を忘れろだと? 兄弟、お前はオレに売国奴になれというのか?」
 何も国を売ることはないさ。でも、心配したって仕方がないじゃないか。
「ふん。平和ボケの日本人に何がわかる」
 わかるさ、ペトロ。故郷に爆弾の雨が降ってるんだから、そりゃ多少ヒステリー気味にもなるだろうさ。でも、君の戦場は何より駒場のピッチじゃないか。
「ヒステリーだと? おい! お前はオレの憂国の情をヒステリー呼ばわりにするのか?」
 違うのか? 愛国心にしても憂国の情にしても、結局は危機意識を煽るだけのものじゃないか。
「兄弟。言って良いことと悪いことがあるぞ。お前には赤い血が流れてないのか?」
 流れてるさ。だからレッズの危機を憂えているんじゃないか。
「兄弟、お前はサッカーファンのファン心理とオレたちの愛国心を一緒にするのか」
 まあ、似たようなものじゃないか。
「違うよ。全然違う。ファン心理はしょせんファン心理、ただの気まぐれにすぎない。その点、愛国心はもっと根源的なものだ」
 逆だと思うけどなあ。愛国心の方がよっぽど軽薄だよ。
「兄弟。いや、もうお前を兄弟と呼ぶのはやめにするよ。お前にしても、伸二にしても、自分の国を愛せないような人間とオレは口をききたくない」
 ペトロよ。あやまる。落ち着いてくれ。
「どうして落ち着いてられるっていうんだ」
 なあ、ペトロよ。いつだったかあのリネカーが言ってたぞ。ゴール前でストライカーが持っているべきものは、icy(冷静)な心とホットなマインドなんだって。
「ふん。我が心はicyにあらず、だよ、兄弟」