4月4日 日曜日 晴れ
午前5時〜9時まで睡眠。
朝食後午前10時〜午後8時まで睡眠。
素晴らしい睡眠力だ。
酒をやめて以来、体質が変わったようだ。
睡眠力の増加もさることながら、私はどうやら飲酒の習慣とともに、読書と音楽観賞の習慣をほぼ完全に喪失した。人とも会わなくなった。
まずいだろうか?
たぶん、オッケーだ。
まず、酒だが、飲まないで済むなら、こんなものは飲まない方が良いに決まっている。
音楽。
これも必要ない。
一生分の音楽は既に聴いてしまっている。
今となっては、自分が音楽マニアであったことが不思議でならない。
10代の頃からずっと、つい3年ほど前まで、自分は音楽無しには生きていけない人間だと思っていた。そして、音楽を聴かない人間を軽んじていた。
が、自分が音楽を聴かなくなってみると、逆に音楽にとりつかれている人間に違和感を抱く。
勝手なものだ。
のみならず、私は音楽好きを自認する人々に対してたぶん敵意に近い感情を抱いている。
「音楽ですか?全然興味ありません」
 と言い切る時、私は音楽大好き人間を自認する人々の選民意識に水をぶっかけたくてそう言っているのだと思う。
困ったことだ。
酒をやめても、根性の悪さは変わっていない。
まったく音楽と無縁になったわけではない。ただ、新しいCDを買ったりしなくなったのだ。ありていに言えば、3000円がもったいないのだ。
3000円あったらサッカーのチケットを買う。
クリエイティブじゃないって?
望むところだ。

本も要らない。
一時期はたぶん月平均で20冊ぐらい読んでいたと思うが、いまはおそらく月に2冊も読んでいない。
これで何が不自由ということもない。
現在の心境としては、むしろ、多読家をいぶかしむ気持ちが強い。
彼らは本を読むことで自分の精神が向上しているとでも思っているのだろうか?
活字中毒?
いやな言葉だ。
何様のつもりだろう。

テレビもいらないし、他人も必要ない。
退屈しないかって?
しないね。
だって、あんたたちと付き合うよりはオレと付き合ってる方が面白いからね。

この状態がいつまで続くかはわからない。
が、ともかく、アルコホリックが酒をやめるためには、全生活のリセットが必要なのだ。

つまり、OSの再インストールだ。
何を組み込むのかって?
そんなことわかるもんか。
でも、いずれにしろ、「ビールと野球」「ウィスキーと文庫本」「ジンとヘッドフォン」みたいな具合に酒と分かち難く結びついた習慣のすべてを、いったん否定してかからないと何もはじまらないわけです。

紅茶とサッカー。ミネラルウォーターと睡眠。
ううむ。
うそくさいといえばうそくさい。
マックからウィンドウズに乗り換えたのも、白々しいといえば白々しい。

あるいは、オレが野球を憎んでいたり、音楽を敵視していたり、読書家を軽蔑していたりするのは、もしかしたら禁酒の反動なのだろうか。
オレはもがいているのだろうか?
「何も、そんなふうに自分の過去を全否定しなくてもいいじゃないですか」
「そうですよ。酒さえやめればいいわけでしょ」
 ふん。
 キミもいっぺんアル中になって、それから酒をやめてみると良い。
 あるいはキミが絵描きなら、絵の具抜きでどんな絵が描けるか試してみると良い。
「サッカーをやめろとは言わないが、ボールは二度と蹴らないように」
 と、コーチにそう言われたサッカー選手がいたとして、彼はそれでも昔通りにサッカーをプレイできるだろうか?サッカーを憎まずにいることができるだろうか?

 うん。
 わかっている。
 ちょっと大げさだよね。

 でも、大げさに言わないと伝わらないと思いこんでいる人間の気持ちは、大げさに言わないと伝わらないものだろ?

4月5日 月曜日 曇り
午後11時50分からのワールドユースサッカーに備えて昼寝をするつもりでいたのだが、なりゆきで近所の保健所の通りまで花見に出かけることになってしまった。
家に残って一人で寝ていればよかった。
そうすれば、体調万全で試合に臨めたはずだし、私の体調さえ万全なら、ユース代表だってあんなことにはならずに済んだと思う。

●日本VSカメルーン
 1-2で逆転負け。
 
 高原くん。
 君は素晴らしい選手だ。
 スピードもあるしテクニックもある。状況判断だって大変にしっかりしている。
 今日の試合でも、90パーセントはよくやっていたと思う。
 ポストプレーの起点として十分に機能していたし、シャレたパスも出せれば飛び出しのタイミングもバッチリだった。チェイシングも万全ならキープも合格で、ヘッドの競り合いだって負けていなかった。
 しかし、どうして君は1対1の簡単なシュートを枠に飛ばすことができないんだ?
 君に与えられた仕事のうちで、一番簡単なことじゃないか。
 だって、たった5メートルのシュートだよ。
 私にだってできそうなプレイだ。
 私には君のようなスピードはないし、正確なキック力もない。ヘッドなんてからっきしだし、フィジカルもヘロヘロだ。ディフェンダーに寄せられたら一巻の終わりだと思う。
 でも、パスに合わせて足を出すことぐらいはできるぞ。
 5メートルの距離で、キーパーと1対1のどフリーなら、ボールを枠に飛ばすことぐらいはできるぞ。
 が、君にはそれができなかった。
 不思議だ。
 なんだか君は、カルパッチオだのテリーヌだのは器用に作るくせに、目玉焼きが満足に焼けない料理自慢の若妻みたいだぞ。

 良かったのは酒井君、小野君、本山君の3人。
 手島君はやはりちょっと真ん中をやらせるには……

 いや、手島君をはじめとするDF陣は、おそらくあのカメルーンのゆる〜いリズムにダマされたのだ。
「熱帯泥棒作戦」と命名しよう。
 ん?知らないか?
 説明しましょう。
 バリ島だとかセブ島だとかいった熱帯の島に行くと、誰もが魂を抜かれてしまう。わたくしども勤勉俊敏な日本人といえども例外ではない。というのは、彼の地の気候がのっぺりと暑いからでもあるが、なにより、島の人々の所作にかかわるなにもかもがあまりにもゆるいからだ。
 歩く速度からしてのろいのはもちろん、タクシーの運ちゃんはトランクを開けるのに15秒かけるし、ホテルのフロントは鍵を見つけるだけのことに1分20秒の時間を使う。注文を聞いたカフェのねえちゃんはにっこり笑って違うものを持ってくるし、もちろん文句を言えば言ったでうれしそうにしている。なぜって、それが熱帯のルールだからだ。
 で、こういう場所に3日もいると、じきにこっちも同じリズムの人になる。
 トロトロした歩き方で町をき、木陰のベンチで20分ほど無意味な休息をとる時、だから熱帯を行く旅行者は傍らに置いたバッグに注意を払わない。
 と、この時、思いもよらぬ速さで、熱帯の泥棒ベンチに置かれたバッグを奪い去って行くのである。
 おお、カメルーンの後半20分過ぎの攻撃と同じではないか。
 彼らは、60分かけて、こっちのリズムをトロピカライズしていたのである。
 ああ。
 もうひとつ重要な問題がある。
 アフリカン・ネーションでは、人間は優秀な方から順番に
  1. 泥棒
  2. サッカー選手
  3. 商人
  4. 勤め人
  5. 役人
 になる(ラテン諸国では詐欺師がトップ、以下変わらず)。
 わが日本の場合、この順序が逆転する。
  1. 役人
  2. 勤め人
  3. 商人
  4. サッカー選手
  5. 泥棒
 間違っていると思う。
 こんなことでは、日本のサッカーは決して一流になれない。
 役人みたいな何の才覚も要さない職業に人材を奪われていてはこの国の将来は暗い。
4月6日 火曜日 晴れのち雨
 昼より打ち合わせ。
 書店に寄って「パソ猿」を2冊購入。
 帰途、雨が降り出す。
 不吉。
 帰って寝る。

 ところで当HPへのアクセス数がここ2〜3日、にわかに増えている。
 なぜだろう?


4月7日 水曜日 晴れ
 とても寒い。
 レッズ池田ノブ離婚。
 新聞の見出しは「山本美憂離婚」。
 嫁さんの方が知名度は上という判断だろう。
 原因はフィジカルの弱さか。
 それとも守備の甘さか。
 戦術の不徹底?
 わからない。

 夜のスポーツニュースは松坂君一色。
 まあ、仕方ないか。確かに素晴らしいピッチャーなんだから。低めの速球があんなに伸びるピッチャーはもしかしたら江夏以来じゃないだろうか。しかも変化球でストライクが取れておまけにフィールディングもオッケーだし、度胸も良い。
 つくづく巨人に行かなくてよかったと思う。
 巨人に行っていたら、スポーツ界の正常化が十年遅れるところだった。
 本当によかった。
 ここ10年ほど、素質のあるピッチャーはほとんど皆パリーグに行っている。
 良い傾向だと思う。
 セ・リーグおよび巨人軍ならびにテレビのプロ野球中継が田舎野球ってことになれば、ファンも目がさめるだろうし、サッカーにも多少追い風が吹くだろう。
 大リーグに行ってくれるとなお良い。
 ついでにイチローと松井がメジャーに移籍したら、これでいよいよ日本のプロ野球に未練がなくなる。
 2002年あたりがポイントだな。
桑田引退
清原引退
松井→デトロイトタイガース
イチロー→シアトルマリナーズ
松坂→NYヤンキース
サッカーワールドカップで日本がベスト4
ナベツネ、肝臓ガンで死去。
長嶋ヴェルディの監督に改造中。
日テレ解体中
……
 いいぞ。


4月8日 木曜日 晴れ
 午前中に慈恵医大病院に出動。
 どういうわけかえらく混んでいた。
 季節の変わり目だからなのか?
 それともここ数日の気温の乱高下の影響だろうか?

 午後5時より打ち合わせ。
 BJの原稿はなぜか手がつかず。
 ワールドユースのアメリカ戦のあとに勝利の勢いに乗って書くとして、とりあえず寝よう。
 負けたら?
 
 知るもんか。


4月9日 金曜日 晴れ
●ワールドユース予選リーグ日本VSアメリカ
 3-1で勝利。
 高原はポストプレーが光っていた。今回はゴールも決めたし、合格ということにしておこう。
 酒井は相変わらず攻守に貢献していた。この試合のMVPだろう。
 小笠原、本山も良かった。
 小野君はミスが多かったが、それでもところどころに良いプレーがあった。
 サッカー掲示板を見ると、小野の運動量の少なさとミスの多さに批判が集中している。
「一人よがり」だとか「天狗」だとか言われたりもしている。
 勘弁してやってほしい。
 彼は疲れているのだ。
 それに、たとえ現状では10のプレーのうち8がミスだったとしても、残りの2つのプレーでエクセレントな驚きを与えてくれる。そんなわくわくさせてくれる選手は小野以外にいない。
 確かにプレーの堅実さでは酒井の方がずっと上だし、試合を通しての貢献度でもやっぱり酒井に軍配があがるだろう。
 でも、私のような甘いファンにしてみれば、小野君が1試合のうちに「おおっ」と驚かせてくれるプレーをひとつでもしてくれればそれでオッケーなのだ。

 アメリカに勝ったのは本当に良かった。ほかのどんな国に負けてもアメリカだけには負けてほしくないと思っていただけに、この勝利はうれしい。できれば5-0ぐらいでケチョンケチョンにやっつけてほしかったが、まあとりあえず勝ちは勝ちだ。
 アメリカの選手たちの態度の悪さが不快だった。
 審判に対して「Fuck you!」だとか「Bull shit!」だとか言っているのがマイクを通して聞こえてきたが、ああいう発言にはイエローを出すべきだと思う。ユースということを考えればレッドでもかまわない。アメリカのチームは半分が大学生ということだが、ワールドユースを田舎試合だとでも思っているのだろうか?
 なんだか東京の高校生が宇都宮あたりの喫茶店で傍若無人にふるまっている感じだ。
「おい、このサテンはメニューに餃子があるぜ」
「ったく、ウエイターが蝶タイしといて餃子だもんな」
 いや、餃子が悪いというのではないが。

 午後、虎ノ門に出動。ゲラをチェック。
 帰ってBJの原稿を脱稿。


4月10日 土曜日 曇りのち雨
 長い昼寝。
 午後3時よりBS1で柏VS磐田戦をTV観戦。
●柏VS磐田
 0-1で磐田の勝ち。
 ストイチコフが孤軍奮闘していたが、やっぱり磐田が強かった。
 といっても、名波が疲れているせいなのか雨のせいなのか、磐田の方もパスがあまりつながっていなかった。
 凡戦。
 
 引き続き午後7時より川崎VS名古屋戦をTV観戦。
●川崎VS名古屋
 2-1で川崎。
 といっても、後半途中で寝てしまったので最後までは観ていない。
 審判がひどかった。
 アドバンテージを無視するし、やたらにイエローを出しすぎる。
 川崎の中沢というDFは良い選手のようだ。
 名古屋は、ストイコビッチが警告で出場停止、呂比須が負傷、さらに平野、望月、大岩がなぜか名古屋に帰された(田中カントクともめたらしい)ということで、2軍みたいなメンバーだった。
 凡戦以下。

 そのほかの試合では、城がハットトリックを決めたらしい。
 わからない選手だ。
 実は、前節、2得点&1アシストを決めた後のインタビューで
「こっちが退場で10人になっていたので、ボクの個人技を見せるしかないと思ってました」
 とか、奇妙なサングラスして吹いていたのを見て、
「ああ、こいつはワールドカップからこっち、あんなに非難ごうごうだったのに、少しもヘコんでいないんだなあ」
 と、ちょっと見直していたところだった。
 フォワードの選手には、こういう図々しさというのか、自己肥大が必要なのかな、と。
 もしかしたら、軽薄で思い上がっているところがこの選手の良さなのではなかろうか……と、そう思っていたところがハットトリックだ。
 わかった。
 城よ。
 オレはもう君を責めない。
 自分が日本一だという考えは捨てないでもよろしい。
 いっそ世界一と考えると良いかもしれないぞ。
 城よ。
 君は世界一だ。
 いまひとつ謙虚さとクレバーさが抜けきらない柳沢君にいろいろと教えてやってくれ。
 たのむ。

 レッズは3-1で勝ったようだ。
 福田が2得点。
 ペトロビッチがアシストを2つ決めた。
 ありがとうペトロ。
 君がホワイトハウスを空爆する時には、声をかけてくれ。
 運転手でもなんでもするよ。