11月8日 日曜日 晴れ
 昼間中寝ていた。
NHK「サンデースポーツ」に糸井重里が出ている。
どうやらバス釣り関連のゲストとして呼ばれたみたいだ。

なるほどね。

ある筋から聞いた話では、糸井氏のバス釣りというのは、ウェアから道具からのすべてに巧妙なタイアップの網が張り巡らしてある、ひとつの事業であるんだそうだ。
たとえば彼が「スモーキンクリーン」のCMにバス釣りのスタイルで出ているのは偶然ではない。
というのは、イトイ氏がJTのCMの中で着ているウェアや握っているロッドのメーカーは、JTとは別に、イトイ事務所に金を払うことになっているからだ。
まあ、単なる噂だから(とは言っても業界人から聞いたんだけどね)、どこまで本当なのかは知らないが、ありそうな話ではある。

NHKの人々は知らないのだろうか?
何も知らずに、無邪気に釣り道具の紹介なんかをしてるわけ?
「その時に合ったルアーを選ぶ必要があります」
だなんて、まるでバスフィッシング業界のCMみたいな特集を組んで大丈夫なのか?

いまイトイが(テレビの中で)着ているウェアも気になる。
紺のヨットパーカーみたいに見えるが、胸のところにあるオレンジ色のマークはロゴが「ITOI・ca...」(後半確認できず)になっている。
おい、イトイはウェアのブランドに乗り出しているのか?
そういうことなのか?

おお
バスフィッシングの「ジャパンクラッシック」だかのVTRを流している。
おおおおお
案の定、選手(釣り人)たちのウエアはロゴで埋まっている。
それだけではない、帽子のつばからボートまで、派手なロゴだらけの絵が、公共の電波を使って、まるで無防備に放映されつづけているぞ。
本当に大丈夫なのか?NHKよ!
利用されているのに気づいていないのか?
それとも、キミたちもグルなのか?

そうでなくても、釣り人が魚群探知機を装備して釣り場に乗り出すような遊びを、君たちは「スポーツ」と呼ぶつもりなのか?
キミたちが大好きな「環境保護」や「生態系保護」と、このスポーツは矛盾しないのか?
おい。
優勝した釣り人の着ているベストの胸にはざっと見て10種類のロゴが付いてるぞ。
F1並みじゃないか!
大丈夫なのか?

「お父さんと子供で」
というのが、どうやらイトイがこの日のために用意したキャッチであるようだ。
「アメリカでは、子供にキャッチボールとバス釣りを教えるのが父親のつとめだと言われているようです」
なあんて、おい、どこからそういう話を持ってきたんだ?イトイよ。

知ってるぞ、イトイよ。
全共闘だったそうじゃないか。
オルグがうまかったっていう噂を聞いたぞ。
なるほど。
派閥争いやオルグに明け暮れる全共闘活動ってのは、案外、学校の授業なんかより実戦的なんだろうな。

油断ならないなあ。
イカの塩辛にまぎれこんだナメクジみたいだ。


11月9日 月曜日 晴れ

●松方
 午前9時。
 テレビをつけるとTBS以外の民放各局は、軒並み松方弘樹の記者会見を流している。
 ふーむ。
 松方弘樹のような人物像はワイドショーのスタッフや芸能レポーターにとっては貴重な人材なのであろう。
 一方、松方本人にとっても記者会見は無視しがたいステージ(だって、この人のファン層というのは、記者会見の行間にあらわれる素の人柄やらコメントやらに共感している人々なんであろうし、松方の「タレント性」とは、つまるところこの種のスキャンダルを背景に成立している一種演劇的なキャラクターなんだからね)であったりするのだと思う。
 ま、言ってみれば、アブラムシとアリの共生関係だ。

 が、オレに何の関係がある?
 どうしてオレがこんなものを見せられなきゃならないんだ?
 ゲロの生産業者とその流通業者がいっしょになってキャンペーンをやりたくなる事情はわからないでもない。
 が、どうしてオレが他人のゲロを食わなけりゃならないんだ?
 ってわけで、スイッチを切った。
 こういう記者会見を大真面目に観て、「けしからん」と憤慨する人もあるのだろう。
 逆に「松方は正直でよろしい」と拍手を送る向きもあるに違いない。
 が、私に言わせれば、非難するのであれ肩を持つのであれ、このテのスキャンダルにコミットすることそのものが馬鹿げている。
 こんなものを観せられたり、感想を抱かされたりしていること自体、向こうのペースにはめられているってことなのだ。
 「向こう」とは誰かって?
 松方夫妻および松方の愛人および芸能レポーター諸氏ならびにワイドショーのスタッフやコメンテーターを含む、いずれにしろ、このスキャンダルで飯を食っている人々だ。
 浮気はけしからんと思う人は浮気をしなければ良い。
 浮気は男の甲斐性だと思う人は浮気をすれば良い。
 それだけの話ではないか。
 つまり、問題は、浮気そのものではない。
 問題は、(というよりも問題外なのは)他人の浮気を報道することであり、他人の浮気に対してコメントを吐くことであり、あるいは自分の浮気を世間に向かって弁明することだ。このことの不潔さが、あらゆる関係者(浮気をした者、された者はもちろん、浮気を暴いた者から見物した視聴者に至るまでのすべての人間)を汚染するのである。

 たとえば、横浜フリューゲルスの問題は、当事者だけが集まって秘密裏に処理すれば良いという問題ではない。
 だから、この件については報道する意味がある。というよりも、社会的な存在であるサッカーチームの存亡にかかわる事情は、報道されなければならない。
 が、芸能人の愛人問題なんていう何の社会性もない話に、マトモな人間はかかわるべきではない。
 他人の色恋沙汰に下司な関心を抱くのは、人間である以上仕方のないことではある。が、そういう話をする場合には声をひそめるのが大人のたしなみというものだ。

●目撃証言は大丈夫なのか?
 例の和歌山の事件では、いまさら(7日〜8日)現場検証をやって目撃証言を集めているようだが、大丈夫なのか?
 2日間で約27時間にもおよぶ大掛かりな捜査だったってことだけど、大丈夫なのでしょうか。
 で、今ごろになって(事件から3ヶ月以上が経過してから)新しい目撃証言が出てきているらしい。
 おい、本当に大丈夫なのか?
 しかもその証言は、おそろしく具体的で断定的(白いTシャツに黒いスボン姿の真須美容疑者が、手に紙コップを持っ
て自宅からガレージに入り、その後、コップを右手から左手に持ち替えた)だったりするけど、その証言はマジに大丈夫な人の証言なのでしょうか。お父さんは心配です。
 法廷でひっくり返っちゃうタイプの、自信のない兄ちゃんの証言じゃないんだろうな。
 なにしろ、事件発生後3ヶ月も黙ってた野郎の証言ではあるわけなんだからさ。

 当然、弁護側は、いまごろになって目撃証言が出てきたことの不自然さを追求するだろう。
 複数の住民を未明まで拘束して、27時間におよぶ現場検証をしたことについて、「強要」という言葉を使って強烈な反対尋問を展開するかもしれない。まあ、「教唆」とか「暗示」とか「圧力」とか、もう少し微妙な言い方をするかもしれないが、いずれにしろ、弁護側としては、証言の信用性に泥をかけるべく最大限の努力をするだろう。
 こんなことで公判を維持できるのか?
 こんなあぶなっかしい捜査をして、もし「捜査に行きすぎがあった」とか「違法捜査でしたね」なんてことになったらどうするのでしょう。
 健治容疑者の自白が取れたとして、その証言にまで泥を塗ることにならないか?
 「偽計による自白の強要」なんてさ。
 そうなったとしたら、いかに状況証拠が真っ黒でも、無罪に持っていかれてしまうような気がするぞ。

 過去にも、田舎警察の勇み足で証拠の捏造やらをやらかしてみすみす真っ黒な容疑者を無罪にしてしまったことがあるはずだ。
 そういう教訓は生きていないのか。

 ま、今後の経過が楽しみですね。
 万が一「違法捜査で無罪です」なんてことになったら、田舎警察はおしまいだな。
 とするとやっぱり
「日本にもFBIを」
 式の声が出てくることは避けられないだろうけど、そんなことになったら憂鬱だなあ。

 いや、案外、それが狙い(つまり、秀才ぞろいの警察庁首脳陣は、今回の和歌山県警の泥んこ芋洗い捜査のバカさ加減を重々承知していながらも、あえて彼らのやりたいようにやらせて失敗するのを待ってるわけだ)なのかもしれないんだけどさ。
 


11月10日〜12日 火・水・木曜日 晴れ
9日の夜に突然Windows98がクラッシュして、この3日間、筆舌に尽くし難い苦難を味わった。

11月9日
1.「サッカーカフェ」という掲示板のデータをオフラインで読もうとすると、画面がフリーズする。この症状が続く。
2. ソーステキストをいじったり色々とやっているうちに、IE4.0が次第に不安定になる。
3. IEのヘルプからサポートページにアクセスすると、その瞬間
例外OEが 0567:0000 1E4C で発生しました。現在のアプリケーションを終了します。
*どれかキーを押すと現在のアプリケーションを終了します。
*Ctrl+Alt+Delキーをもう一度押すと蜂の頭
というメッセージが出る。

4.これ以後、SAFEモードでしか起動しなくなる。
5.win98の再インストールを試みる。
6.残り6分のところで再起動に失敗して青空の画面でフリーズ
7.再々インストールを試みるも「プラグアンドプレイ機器の検出」のところで
CABファイル展開エラー
修復してインストールを続行しますか?Y/N
というエラーメッセージが出る。
8.Yを選択するも、7に戻って永久ループ。
9.再々々インストール→6に戻る。

という具合で、お手上げ。

11月10日
1.怒り爆発。起動ディスクから\WINDOWSディレクトリをすべて削除(deltree c:\windows)する。
2.30分以上もディスクアクセスし続けて暴走。
3.逆上。
4.ハードディスクがギシギシ言ってるのもかまわず強制電源off。
5.憤怒の鬼となって1に戻る。
6.クリーンインストール開始。
7.20分経過後、突然画面全体が化け化け文字になってフリーズ。
8.絶望にかられて再々々々々インストールするも7に戻る。

11月11日
1.マシンをクルマに積み込んで築地にあるパソコン誌編集部を訪れ、同誌編集部随一のオタクN氏の助力を仰ぐ。
2.しばらくBIOSのセットアップをいじったりしつつうなっていたN氏、C\ドライブのフォーマットを提案。
3.ケースを開けて掃除機でホコリを吸った後、Cドライブをフォーマットし、おもむろにインストール。
4.前日の状態に戻る。この後しばらくオタッキーな努力が続くがオレには意味がわからん。
5.午後9時過ぎ、夕食をごちそうになって帰宅。
6.午後11時、巨大な喪失感に打ちひしがれながら(そう、オレみたいなパソコン依存者は、半ば以上サイボーグなんだから)就寝。

11月12日
1.午前3時。突然の天啓に打たれて目覚め、WIN95のインストールを始める。
2.インストール成功!
3.おい、今日はオレの誕生日だぜ。
4.なるほど42歳、厄年だ。
5.Win95インストールの成功に気を良くして、Win98の上書きインストールを試みるもやっぱりフリーズ。
6.勇気ある撤退、95生活への復帰を胸に終日インストールに励む。

とまあ、そんなこんなで、この3日、オレはほとんど寝ていない。
鏡を見ると、おそろしいばかりに目玉が濁っている。

ん?
目は心のウインドウズだと?
ビルよ。
ふざけるのはやめてほしい。
お願いだから、窓がらみでくだらないジョークを飛ばすのはやめにしてくれ。
いいか、ビル。
窓は、外を眺めるためのものではない。
ビルが高くなればなるほど、窓は危険な存在になる。
たとえば、オレみたいなマンションの8階に住んでいる人間にとって、
窓は、人生からの出口だ。
わかるか?
誕生日の夜に、オレが窓から飛び降りないでいる理由は
お前を愛しているからではない。
おそらくは、単に、いくじがないからだ。
わかるか?
お前に、想像がつくか?
こうやって、日がな一日位置エネルギーを蓄えつつ、地面との衝突に備え、それでもなお窓から飛び降りないためにエレベーターの力を借りて深夜のコンビニにせんべいを買いにいかなければならない男の気持ちが、お前にわかるのか?

いずれにしろ、
オレの心の窓は、お前やお前の同類たちに対して、完全に閉ざされている。
にもかかわらず、オレの心には、いつも冷たい風が吹き込んでいる。
ビルよ。
次期OSは、Walls99で行こうじゃないか。
我々の間に必要なのは、窓ではない。
壁、それも、決してクラッシュすることのない、堅固な壁だ。
たのむぜ。


11月13日 金曜日 晴れ

 今日の夕方になってようやくアプリケーションのインストールが一段落した。
 BIOSをアップデートしたらもしかしてWin98がインストール可能になるかもしれない……
 でも、まるっきり動かなくなるのも恐いし……
 寝よう。

11月14日 土曜日 晴れ

 法事で八王子まで出かけた。
 朝9時前に出発したが、この段階で首都高速板橋本町入路の表示は「全線渋滞・神田まで50分」。
 で、環七で大原まで出て永福町から4号線に乗ると「高井戸〜談合坂渋滞50キロ」。
 うわあ。
 調布で高速を降りた。が、20号はほとんど動かない。
 で、立川でもう一度中央高速に乗って、八王子についたのは結局11時半になった。
 昼食後、八王子の豆腐料理屋から都営八王子霊園までがまた渋滞で、結局家に帰ったのは午後8時。

 まったく。
 中央高速の渋滞はおそらく紅葉の時期に特有な行楽渋滞なんだろうが、八王子の渋滞は、ありゃいったい何だろう。
 都心からあれぐらいの距離にある郊外の町は、恒常的にあんな状態なんだろうか。

 おかげで、鹿島VS神戸も浦和VS名古屋も観戦できなかった。
 夜、「スーパーサッカー」で確認したところでは、鹿島、浦和が勝ったようだ。

 そんなことより、日テレの副社長が「放映権をよこさないのならチームを手放すことも辞さない」という旨の発言をしている。
 なるほど。
 本当に言いたかったのは、最初からこれだったわけだな。

 考えてみよう。
 日本のプロ野球がこれだけ大衆的な人気を博していながら、どうしてアメリカのメジャーリーグやヨーロッパのサッカーに比べてお話にならないほど低い収入に甘んじているのか?
 答えは「テレビ放映権料をリーグで一括管理していないから」である。
 より詳しく言うと、
「新聞・テレビを持っているメディア系企業グループの子会社球団である読売巨人軍が、不当に安い値段で親会社に独占放映権を売っているから」
 だ。
 それゆえに、リーグとしてのプロ野球協会は、テレビ局各社に対して、対等な価格交渉ができないでいる。
 ってことは、こりゃ不当競争である。
 結局、ナベツネのウジ虫が二言目には繰り返す「自由競争」とは、これのことだったわけだ。

 自由競争……
 各チームが各自の経営努力で経営体質の改善に努め、利潤を追求する……ここまでは良い。
 が、メディアみたいな怪物を相手に、各チームが別々に分断された形で価格交渉をするのはどう考えても得策ではない。
 まして、リーグの中にメディアの子会社のチームがあるようでは、交渉など思いも及ばないではないか。

 そんなわけで、現状では、日本の放映権ビジネスは、事実上、巨人軍主催ゲームの日テレ買い取り価格を基準に推移している。
 巨人以外の11球団が、随一の人気球団であるヨミウリ巨人軍よりも低い価格に買いたたかれているのはもちろん、野球以外のすべてのスポーツも、すべて巨人戦の料金という化け物に直面しなければならない羽目に陥っている。
 
 日テレによる巨人軍の独占→日テレにおける巨人軍の圧倒的なメディア露出→巨人軍のミーハー人気の安定→他局の追随→巨人軍以外のプロ野球チームの巨人軍依存→日テレによるヴェルディ放映権料丸抱え計画の進展……

 ううむ。

 これでサッカーまでメディアにおさえられたら、この国のプロスポーツはいよいよおしまいだ。
 Jリーグ出資企業の経営不振も確かに問題ではあるが、そんなことよりメディアの介入をなんとかしなければならない。
 どの国のプロスポーツでもそうだが、繁栄しているプロスポーツを支えているのは、単体としての各チームの経営努力や資金調達能力ではない。
 20世紀のプロスポーツを可能ならしめているのは、ズバリ、リーグに入ってくる莫大なテレビ放映権収入だ。
 とすれば、日テレの恫喝は何としても排除せねばならない。

 今、問題になっている佐藤工業やフジタみたいな死に体の企業の経営理念や全日空だの日産だのの首脳部の無神経なんぞは、実のところ、ものの数ではない。
 我々サッカーファンが真に立ち向かわなければならないのは、ナベツネの政治的発言の裏に潜む権謀術数であり、日テレの野望であり、結局は彼らと同じ穴の中で許認可事業者としての既得権益にしがみつこうとしているすべての地上派テレビ放送キー局の……
 うーむ。演説をしてしまった。
 ご静聴ありがとう。
 あばよラモス。