10月15日 日曜日 晴れ
 まだ昨晩のゲームの興奮が残っている。
 朝起きて、まず各スポーツ紙のウェブをすべて見回る。
 勝利の感慨を反芻し、ビデオを見直す。
 気分が良い。
 何を見ても気分が良い。小野選手の初ゴールの余韻を受けて、空の高さまでもが違って見える。
 それにしても素晴らしいゲームだった。

 ……と言っている一方で、J2では大分が勝って浦和は暫定3位に落ちた。
 ははは。
 うろたえるな、友よ。
 そんなことは問題ではない。
 いや、本当のことを言えば大いに問題なのだが、要は直接勝てば良いのである。
 勝てる。
 オレの今の状態からして、負けるはずがない。
 こんなにポジティブな気持ちになったのは何年ぶりだろう。
 

10月16日 月曜日
 寝た。
 ほぼ1日中寝ていた。
 土曜日から日曜日にかけてロクに眠っていなかったので。
 
 でも月曜日はやってくる、という歌があった。
 誰の歌だったろうか。
 あ、オレの歌だ。
 ははは。
 
 深夜、韓国VSクウェート戦をTV観戦。
 韓国は何をやっているのか。とんでもなくリズムが悪い。
 結局マグレみたいな先制点を決められてそのまま1−0で負け。
 先日の中国戦といい、完全にツキに見放されているようだ。
 ツキ云々を抜きにしても、ホン・ミョンボのいない韓国はまるでダメだ。
 個々人の技術と気迫では相手を圧倒しているものの、戦術がゼロ。
 とてもアタマの悪いチームに見える。
 山ほどあったチャンスをすべてツブして1-0の負け。
 これで予選敗退なんてことになったら、南北統一もオシャカになるかもしれない。

※田中康夫知事誕生
 なるほどね。  好きにしてくれ。
 色々と言いたいことはあるが、あんたが尻尾を出すタイミングまで黙っておくことにするよ。
 じきに尻尾を出すだろうさ。
 だって、尻尾だらけなんだから。
 少なくとも九つはある。
 タヌキのくせに。

 でも、尻尾を出す前にちょっとだけ論評。

 田中知事という看板を得たことは、長野県にとって、案外賢い選択だったのかもしれない。
 どうせ、田舎の知事なんてものは、中央政府や全国マスコミに向けてのアイキャッチャーとして機能すれば充分なのだから。  実務はおそらく行政官僚がなんとかするんだろうし、とすれば、康夫ちゃんみたいな知名度のある人間をアタマにいただいておくことは悪い事ではない。「何を言っても見出しになる」というのは、これは田舎にとってはなかなかにデカいメリットだ。事実、高知県あたりは、有名人の知事さん(←橋龍の弟にして元NHKのキャスターであるところの橋本大二郎さん)を選んでから、メディア露出が格段に増えている。そして、メディア露出が増えれば、ポピュリズムの時代の政治はおおむね成功なのだ。
 むしろ疑問なのは、「康夫ちゃんにとって知事就任が賢い選択であったのか」という点だ。
 だって康夫ちゃんは、この先、知事職のくびきに手足をしばられることになるわけだから。
 手足を縛られた康夫ちゃん。自由を失った康夫ちゃん。責任と倫理の康夫ちゃん。コンドームをかぶった康夫ちゃん……こんなものは本当の康夫ちゃんではない。
 これまで、田中康夫は、「何をやっても康夫ちゃん」という、一種特権的な立場を享受していた。
 なにより「康夫ちゃん」という四十男の通り名とも思えぬ甘ったれた通称が彼の「おミソ」的なありようを雄弁に物語っている。つまり、彼はトリックスターであり、トランプのジョーカーであり、道化であったわけだ。
 だから、スッチーをつまみ食いしようが、相撲部屋の娘とねんごろになってその一部始終を雑誌上で公開(しかも実名込みで)しようが、世間は騒がなかった。本来なら文化人の所業として到底許されることではないことでも、康夫ちゃんの放埓ということであれば、すべてオッケーだった。  誰が幇間に誠意を期待するだろう?
 誰が田中康夫に真っ当な人間性を期待するだろう。  いや、私は田中康夫を非難したいのではない。彼を道化や幇間に決めつけたくてこんなことを書いているのでもない。ここまでのところは、単に、彼が特権的な立場にあったということを論証するためのお話に過ぎない。
 道化という言い方がイヤなら、この話は無かったことにしても良い。作家先生としてまともに評価して差し上げることにしよう。そう呼んでほしいのなら、表現者と呼んでも良いし、芸術家と定義したってかまわない。
 が、それでも、蕩児たるところに表現者としての康夫ちゃんの持ち前があったという事実は変わらない。また、それゆえに彼の不品行が大目に見られていたということもまた事実だ。
   
 さてしかし、知事ということになれば、芸術家の特権も道化ゆえのお目こぼしも通用しなくなる。
 人妻とのペログリを情報公開して恥じない道徳的テロリストたるこれまでの生活は、公人となった以上一変せざるを得ない。これは、彼にとってはキツいのではないか?

 どうして康夫ちゃんは知事になんかなりたがったのだろう。
 彼のような人間にとって、何一つ得るべきものは無いはずなのに。
 もしかしたら、康夫ちゃん自身が「康夫ちゃん」に飽きていたのだろうか。いまさらスッチーをコロがしてところでたいした自慢にはならないし、人妻を食い散らかしてみても昔ほど面白くない……てな調子で、彼は、この数年、自らの放埓に飽きていたのかもしれない。
 で、新しいトロフィーとして知事職みたいなデカい権威がほしくなった、と、そう考えれば、まあなんとか理解できないことはない。
 しかし、康夫ちゃん、キミは本当によく考えたのかな?
 知事職はスッチーの電話番号や人妻の貞操とは違って、簡単なトロフィーではない。ああいうものは責任やら義務やらというやっかいなものを伴っている。
 これまで、康夫ちゃんはトロフィーだけを手に入れて、責任や義務からは巧みに身をかわしてきた。
 まあ、それはそれで蕩児の真骨頂ってことで評価するにやぶさかではない。
 けれども、この先、あんたはトロフィーに見合った責任を果たさねばならない身の上になる。
 そんなことが康夫ちゃんにできるのだろうか?

 もうひとつ、不思議なのはメディアの反応だ。
 A新聞をはじめとする一部の(っていうか大部分の)メディアは、知事選の出馬が噂されて以来、一貫して康夫ちゃん提灯報道を大量放出してきた。それは今でも続いている。
 どういう魂胆なのだろう。
 いや、魂胆とかそういう話ではないのかもしれない。
 記事への注目を集めるために知名度のある人間を見出しに持ってきているというだけで、単に商習慣上の儀礼に過ぎないのかもしれない。特にもってまわった底意や思惑があったというのではないのでしょう。
 でも、それにしてもここしばらくの康夫ちゃん報道は常軌を逸していた気がする。

 では、どうして田中康夫はこれほどまでに一部のメディアの優遇を享受し得たのだろうか。
 康夫ちゃんがリベラルだから?
 A新聞は、康夫ちゃんが自分たちの陣営に属していると思っているのだろうか?
 だとしたら、ばかだなあ。
 問題は、田中康夫が本当のリベラルであるのかどうかではない。彼が左翼思想の持ち主であるかどうかでもない。真の問題点は、あんな男でも持ち上げざるを得ないほどに、左側あるいはリベラル陣営の人材が払底しているというところにある。
 反戦や市民運動といったキーワードに対して、ティピカルな反応を示す人間なら、誰でも持ち上げてしまうのだとすると、リベラルというのは、いかにも底の浅い思想ってことになるぞ。
 っていうか、私の見るに、田中康夫であるとか筑紫某であるとかいった人々は、あれは、むしろ右翼の手先です。だって、あんなインチキくさい人たちを見ていたら、若い連中はどうしたってリベラル嫌いになるに決まっているんだから。
 うーむ。
 話がズレている。

 つまりですね、たとえば石原慎太郎および小林よしりんと田中康夫ならびに筑紫哲哉を比べてみて、どちらが正しいかとか、いずれが真っ当な人間であるかということはとりあえず置くとして、どっちが魅力的かと問われれば、たいていの人は石原慎太郎の側に軍配をあげるだろう、と、そういうことです。
 だって、オレでさえそうなんだから。
 もちろん、私は石原慎太郎が嫌いだ。傲慢で高圧的で思いあがったイヤな野郎だと思っている。端的に言って無神経で酷薄な我利我利亡者以外の何者でもないというふうに評価している。
 でも、それでも、生身の人間として虚心に見てみると、やっぱり田中康夫よりは魅力的なのですね、残念なことに。
 前にもちょっと書いたが、要は、「偽善」ということについての評価の仕方の問題なのだ。
 つまり、人間の善性を心から信じている人間と、偽善者とは、ちょっと見には、区別がつきにくいわけで、そこのところがリベラル思想の弱点なわけだ。
 ……いや、事態はもっとひどいのかもしれない。
 あるいは、リベラルには、間抜のリベラルと偽善者のリベラルという2種類しかいないのかもしれない。
 ってことは、リベラルである以上、お人好しの阿呆か、腹の黒い偽善者のいずれかに分類されざるを得ないのだろうか。
 いずれにしても、悪の思想を率直に語る人間(弱肉強食を前提とした勝者の思想の持ち主。マッチョ野郎。煩悩を肯定し、優性思想を……)と比べてみると、なんだか著しく見劣りがするぞ。
 ううむ。
 この先、リベラルはどうしたら良いのでしょうかねえ。
 えっ? 私ですか?
 私はいまさら弱者の味方だとか、労働者のうんぬんとか、そういうお話はいたしません。
 ただ一点、「公」という考え方は嫌いだよというところで頑張ってみようかと思っています。
 えっ? そんなものはリベラルじゃない? ただのヒキコモリだって?
 そうかもしれませんね。
 呼びたければアナーキストと呼んでください。
 プチ麦茶?
 いや、そんな大層なもんじゃありません。
 ただの偏屈者です。

 オレのことは良いのだ。
 問題は康夫ちゃんだ。
 もし康夫ちゃんが色恋沙汰やブランドがらみの私的なトロフィーに飽きて、知事だのといった公的な権威をほしがっているのだとしたら、これは明らかな変節だ。
 いや、単なるエスカレートか?  考えてみれば、クリスタルてなことを言っていた当時から、彼の価値意識は、個人に由来する美意識や官能主義的な好悪よりも、伝統や富にオーソライズされたブランドを重視する傾向はあったわけで、ここへきてその権威主義が権力のピラミッドに連なる肩書きを欲するところにまでエスカレートしたってわけだ。  まあ、ブランド志向が権力志向に化けたわけだから、話としてはわかりやすい。成り行きとしてはあんまり醜いけど。  おそらくこれを機会に、彼はリベラルの仮面を捨てて、権力志向の男になって行くだろう。
 で、長野県民は、新たなチャウシェスクを手に入れる……と、こういうふうに話が進むと面白いんだけど。
 長野のヒットラー。
 あり得ない話ではない。
 変節したリベラルは、生まれ付いてのマッチョよりもさらに過激な権力の亡者になるものだし。
 うん。
 がんばれ。
 で、最後はイソップのカエルみたいに破裂すると良い。

 ぱあん(藁)


10月17日 火曜日 晴れ

 午後、巣鴨に出動。寒くなってきた。
 帰宅後、昼寝。

ball20.gif日本vsウズベキスタン戦
 BSを録画にまわして、日テレで観戦。セルジオの発言をチェックしておかないとならないから。

*******実況終了*********

 結局、8-1で勝利。後半になって出てきた小野伸二は、相変わらず動きがよろしい。まあ、昔から押し気味の試合では機能する選手ではあったわけで……まあ、ともあれめでたい。後半のウズベキスタンは、完全に戦意喪失。わが黄金の中盤がやりたい放題だった。
 監督の横顔が何回かアップになっていたが、あんまり呆然自失してるんで笑った。@2ちゃんねるの実況掲示板では「娘を誘拐されたパン屋のおやじ」だとか「苦労人のイタリア系移民」だとか「ヒットラーユーゲントのアドルフに処刑される神戸在住のユダヤ系パン屋」だとかいう意見が出ていた。なるほど。
 日テレの中継はTBSに比べれば数百倍は良い。なにしろCMが入らない。解説がどうのこうのというのはまあ趣味の問題ではあるわけだし、やっぱり問題は編成である。きちんとした時間枠を確保できなかったり、CMをハーフタイムに集中できないTBSはどうにもならない。
 

10月18日 水曜日 晴れ
 昼寝。アジアカップモードで昼夜逆転気味。
 いつまで続くのだろう。


10月19日 木曜日 晴れ
 久々に気合を入れて仕事。昼から夕方にかけて3本の原稿を上げる。
 やればできる。
 っていうか、「できるまでやらない」でいたということか。
 「やらなきゃできない」と言えばそうも言える。
 できることはできる。
 できないことはできない。
 うむ。
 できればやりたくない。


10月20日 金曜日 雨
ball20.gif日本代表VSカタール戦。
 ひどい試合だった。前半はまるでサッカーにならず。ルーズボールをことごとく奪われて苦しい展開がまるまる45分続いた。で、とんでもないFK(四十メートルぐらいあった?)を決められて0-1でリードを許す。
 前半の45分間、どうしてこれほどまでにパスが停滞したのかについて、各方面から様々な見解が出されているが、私にはどの説明もいまひとつしっくりこない。列挙してみよう。
 ううむ。
 どれも当たっている気がするものの、本当の原因が何なのかと言うと、いまひとつはっきりしない。きっと全部なのだろう。
 後半になって、いきなりリズムが良くなったのも不可解。
 どういうことなのだろう。
 私にはわかりませんでした。
 小野伸二も良いような悪いような……全体的にはカッタルイ動きが目立ったものの、たまに見せるワンプレイに非凡なさが見え(たぶん、こういうところが湯浅さんには歯がゆいのでしょう)てはいたわけで、まあ今後に期待といったところ。
 それでも、唯一の得点となった、ナナミ→伸二→西澤のパス交換の場面はこのうえなくファンタスティックだった。ナナミから小野への左足アウトでの絶妙のスルーパスも素晴らしかったが、なんと言っても、ペナルティエリアに走りこみながらそのパスを受けた伸二が、DFが寄せるよりも一瞬早いタイミングで出した右足アウトのパスが鳥肌モノだった。やっぱり伸二には、この位置でプレイしてほしい。
 もちろん、DFに囲まれながらきっちりと決めた西澤も偉い。あれはなかなかできることではない。
 というわけで、寸評および評点。自信はないけど。

 ※放送について。
BS1を録画にまわして、フジテレビにて観戦した。カザマさんの解説はポジティブでよろしい。っていうか、小野伸二をほめてくれるからね。
 CM中断も無し。当然ですよね。日テレも入れなかったし。
 つまり「民放」とひとくちに言っても、深夜枠でCMを入れたりする外道はTBSだけなのだね。
 録画で試合時間をカットするような心無い仕打ちをするのもTBSだけ。
 結論:TBS逝ってよし!
 

  10月21日 土曜日 晴れ
 午後5時まで寝る。
 オレは何をやっているのか。 
 寝よう。