7月9日 日曜日 晴れ
 寝て過ごした。


7月10日 月曜日 晴れ
 暑い。梅雨はまだ明けていないのだろうか。


7月11日 火曜日 晴れ
 暑い。


7月12日 水曜日 晴れ
 そごうの債権放棄が話題になっている。
「カネは淋しがり屋だ。たくさんあるところに集りたがる」
 というのは、たしか、殺人容疑のかかっている埼玉県の金融業者の言葉だが、たしかにその通りだ。
 借金でさえ、ある規模を超えると力になる。
「おい、オレが返せなかったら、貸したお前も一蓮托生だぜ」
 か。


7月13日 木曜日 晴れ
 暑い。
 以上、感想終わり。


7月14日 金曜日 晴れ
 神宮前、ダイヤモンド社にて打ち合わせ。
 しばらくぶりの原宿は、オヤジが歩いてはいけないような雰囲気だった。
 とはいっても、絵に描いたようなコギャル(民放の街録に出てくるみたいな顔黒金髪)はほとんど見かけない。髪の色こそ様々ではあるものの、皆それぞれに穏当なおしゃれをしている。
 当たり前だ。
 あんなテレビに出てくるみたいなガングロラメ入りシャドウはみ出し白口紅の山姥ギャルがそうそうたくさんいてたまるものかというのだ。
 さる事情通に聞いた話ではコギャルブーム全盛期の渋谷センター街でさえ、本物のガングロ馬鹿化粧のギャルは数えるほどしかいなかったという。
 当然だ。
 あんなモノが百人も列を為して歩いていてたまるものか。
 あるいはテレビを観ている田舎の人たちは、東京はヤマンバギャルだらけだと思っているかもしれないが、事実は違います。
 メディアのハゲタカ連中が何かにつけて、彼女たちにマイクを向けるというだけの話です。
 もしかしたら、毎日のようにテレビ(TBSは特に好きみたいですね)に出てくる彼女たちのうちの何割かは、実は街録専用のタレントさんなのかもしれない。
 プロダクション所属の仕出し高校生で、持ち芸は「オヤジやオバサンたちの反発を買う不遜なご発言」とか、あらかじめプロフィール欄に書いてあるような、そういうタレントがいてもおかしくない。
 とすると「異論、反論、オブジェクション」に出てくるどうにもおバカな若者たちは、ありゃチクシさんの偏見を具現化するために雇われたプロなんだろうか?
 時々出てくるお利口な若者たち(沖縄とか、広島ぐらいのテーマになると出てくるわけだ。どこからともなく)も、なんだか役者じみているけど。

 ともあれ、テレビのカメラに映されているという時点で、その人間はナチュラルな人間ではない。
 でなくても、顔出しの街録を断らないようなバカをまっとうな市民と呼ぶわけにはいかない。
 
 帰路、池袋で埼京線に乗りかえると、えらく混んでいる。この路線は午後4時でもいつもこんな調子なのだろうか。
 しかも、乗り合わせた車両がうまくなかった。
 アロハのチンピラ少年たちと隣合わせてしまった。
「オレ、○○さんとかとも話できるからさ」
「○○さんって、二十一歳ぐらいだよな」
「ああ、もっと上の人とかも紹介してくれるって」
 なんだ? こいつらは? ヤクザの知り合いが自慢なのか?
 アホか?
「××はどうしてる」
「シンナーで逮捕だと」
「シンナー? 初犯なら逮捕ってことないだろ?」
 なんだかヤバい話ばかりしている。
 Rの音が全部巻いてたりして、えらく粋がっている。
 酒臭くはないが、シャブでもはいってるんだろうか?
「オレ、そういうのは直接事務所にひっぱっちゃうからさ」
「文句いわせねえよ」
 ヤバいなあ。大声でヤクザ自慢するガキって、超ヤバいなあ。
 しばらくこういうシチュエーションに出くわしていなかったので、緊張してしまった。
 高校生の頃は、毎日赤羽線(帝京、国士舘、朝高が混在する初心者には危険な路線でした)で通学していたんで、このテの雰囲気には慣れていたのだが、いまとなってはもはやトラブルの避け方(といっても、「ジロジロ見たり、あわてて目をそらしたりしない」という程度のことに尽きるわけですが)に自信が持てない。
 と、そうこうするウチに、件の準構成員たちは、退屈したのか、まわりを威圧しはじめた。
「ったく、っうぜぇな」
「どけよ、オラ」
 誰に言ってるんだ?
 オレか?
 とりあえずオレじゃなさそうだが、いつオレに照準が合ってもおかしくない雰囲気ではある。
 ったく、体が触れたからってしょうがないだろ。混んでるんだし……とは言わなかった。
 そうする代わりに、板橋で電車を降りた。
 いくじのない話だ。
 が、ヤバいものは避けるほかにどうしようもない。
 うん、そうだとも、あんなチンピラに毅然と立ち向かったところで得るものは何もない。
 わかっている。
 でも、次の電車を待つ間、私の心には、イヤな敗北感が広がっていた。
 男というのは、本当にどうしようもない生き物だと思う。
 ちくしょう。
 と、私は思った。
 二十年若かったら、極真会館への入門を検討したかもしれない。
 バカな反応だ。

 テポドンを飛ばすバカに対する最も有効な対応策は、無視だ。
 それはわかっている。
 が、テポドンみたいなものを飛ばされてみるとやっぱり不快だし、不快な気分を我慢すると今度は敗北感に襲われる。
 で、軍備拡張か?
 ……やめておこう。
 国防とヤクザ対応を同じ次元で語る態度はよろしくない。
 たぶん、国防の方は電車を降りれば済むっていう簡単な話じゃないんだろうし。
 じゃどうするのかって?
 うーん、準構成員のお兄さんたちにお小遣いをさしあげて、ついでに横にいるおびえた中坊の耳を引っ張るぐらいはしないとダメなんじゃないでしょうか。極東情勢的には。


7月15日 土曜日 曇り 一時雨
 おおお、鹿島、本山の2ゴール。素晴らしい。
 何度も何度もビデオを観る。
 妻子にも万歳を強いる。