4月9日 日曜日 晴れ
 寝まくる。
 ついに太陽を見なかった。
 

4月10日 月曜日 曇りのち雨
 石原慎太郎が問題発言をしたとかで、ちょっとした騒ぎになっている。
 それにしても、戦争が終わって50年がたつというのに、言うに事欠いて「三国人」とは。
 マジで無知なのか、それとも言っちまった結果をわかった上での発言なのか。
 ってことは確信犯か?
 もしかしたらこの人は都知事の仕事に飽きていて、こういう問題発言をきっかけにして辞めてしまいたいのかもしれない。
 で、中国やら韓国北朝鮮やらの「内政干渉」で辞任に追い込まれた形をとって、庶民の同情を集めた上で新党結成→国政復帰か?
 
 いや、そんなに深読みをする必要はないのだろう。
 マッチョのオヤジがリキんでみせただけと考えるのが自然だ。

 こういうオヤジは一度ヤー公にでも脅されると良いのだ。
 どうせお坊ちゃま育ちの観念的マッチョに過ぎないのであるからして、物理的な暴力に晒されたらひとたまりもないに決まってるんだから。
 たとえば身長2メートルの黒人さんとかに腕を絞り上げられてみれば、自分の中の「男」がどんなに脆弱であるかがわかるだろう。

 もしかしたら、石原さんのような育ち方をしてきた人間は、肉体に加えられる物理的な暴力を味わったことがないのかもしれない。
 私は、自慢ではないが(自慢になんかなりゃしないよ)その味を知っている。
 カツアゲを食らったこともあるし、不良高校生に囲まれて面白半分にいたぶられたこともある。意味なくキレる暴力教師にも何百発となく殴られている。
 若いうちにこういう経験を積んだ人間は、軽々しく「勇気」などという言葉は使わない。
 だって無意味だからね。
 あるいはヨットマンである石原さんは誤解しているのかもしれない。
 恐怖は克服できるとかなんとか。
 確かに、ヨットを襲う荒波や暴風がもたらす恐怖も、それはそれで恐ろしいものではあるのだろう。
 で、それをあなたは克服したと思っている。
 ははは。
 その種の恐怖ならオレだって克服したよ。
 だって、自然のもたらす恐怖は、歯を食いしばって頑張っていれば自然に去ってくれるからね。
 ま、しょせんはジェットコースターと同じことだ。
 でも、暴力は全然違う。
 人間の暴力がもたらす恐怖は自然の暴威とは本質的に違っている。
 というよりも逆なんだな。
 だって、ヤクザはこっちが屈服するまで許してくれないんだから。
 暴風雨や吹雪がもたらす恐怖に対応する方法は、決して悲鳴をあげず、決して屈服せず、決してあきらめずに抵抗し続けることであるのかもしれない。
 が、人間の暴力に対応する方法は、まるで逆だ。
 暴力から逃れるためには、悲鳴をあげ、屈服し、許しを乞い、しょんべんを漏らさなければならない。
 わかるだろ?
 いじめっ子ってやつは、むしろ、こっちが歯を食いしばって頑張っているから許してくれないわけで、ヒーヒー泣けば許してくれるんだよ。つまりは、あんたの自慢の「屈服しない態度」ってやつは被害を大きくするだけなんだな。
 とすれば、屈服するほかに方法が無いじゃないか。
 いいかい、石原君。
 自分より30キロも体重が重そうな相手が目の玉に狂気を宿してこっちを睨んでいる時、精神力なんてものは絵に描いたモチだよ。
 幸いにも私はションベンをチビったことはないが、それは幸運に過ぎない。あるいは適切なタイミングで早めに屈服したからに過ぎない。
 いずれにしても、石原君のような権力者は一度しょんべんを漏らすような目に遭うべきだ。
 わき腹に一発右フックを貰ったあとで、どんな返事ができるのかを自分で知っておくべきだ。
「どうだ?」
「……はい」
 バスッ!
「聞こえねえんだよ」
「……はい」
 石原さんも、一度許永中みたいな三国人とサシで話してみると良いと思う。
 丸裸で縛り上げられて、それでも日本人の誇りだとかいった半可くさいことが言えるかどうか試してみるべきだ。

 私見だが、私は伊丹十三の自殺は、ヤクザによる襲撃事件に対する一拍遅れた反応なのだと思っている。
 彼は、ヤクザの襲撃に遭ってのち、それまで自分に対して抱いていた確信を喪失したのだ。
 やっぱりあれだけの目に遭ってみると、二度とヤクザに対峙できなくなっている自分を発見せざるを得なかったわけで、とすれば、ダンディーを自認する伊丹さんとしては、どうにもやりきれなかったに違いない。
 石原君も同じ目に遭ってみればわかるはずだ。
 人々があんたにペコペコするのは、あんたの器量がデカいからではない。
 人々は、あなたの権力と背景と名声にペコペコしているだけで、あなたという人間に圧倒されているわけではない。
 ヤクザに会ってみればわかる。
 連中はビクともしないだろう。
 法の外にいる人々である彼らは暴力以外のあらゆる力に対して超然と構えることができる存在だ。

 いや、ヤクザに限った話ではない。
 究極のところでは、誰もが同じなのだ。
 あなたも、オレも、ヤクザの連中も、誰もが、人間である限り、暴力の前には、無力な肉塊に過ぎない。
 暴力の前の平等。
 神よりも、法よりも、我々は何よりもまず、暴力の下にいる。
 

4月11日 火曜日 晴れ
 石原都知事。三国人発言について「何かいけないことを言いましたか?」と反論。
 石頭慎太郎だな。
 「三国人」なる用語が差別語であるか否かよりも、むしろ
「東京だって不法入国した人たちがいっぱいいる。その人たちが必ず騒じょう事件を起こすと思うし、その事実を考えましょうと言っただけだ」
 という発言の要旨そのものがとんでもない。
「必ず騒じょう事件を起こす」
 ってのは、どういうことだ?
 井戸に毒か?


4月12日 水曜日 晴れ
 巣鴨に出動。
 
ball20.gif川崎フロンターレVS浦和レッズ
 0-4で完敗。
 試合は観なかった。
 掲示板情報で確認したところでは、完膚なきまでの完敗だったらしい。
 J2も捨てたもんじゃない
 といういつかの妄言は撤回することにする。
 緩慢に冷えて行くぬるま湯の中にいると、人は自分が凍死しつつあることにさえ気付かないのかもしれない。
 

4月13日 木曜日 晴れ
 森首相が動向取材について「ウソを言っても良い」と発言したとかで新聞が騒いでいる。「鬼の首をとったような」とはこのことだな。
 まあ、「ウソを言っても良い」と宣言したならともかく、橋本元首相との会談の中で「ああいうのは、ウソを言ってもいいわけだろ?」と言っただけの話だ。
 実際、「首相動静」の記事枠を埋めるために、何時に寝たとか、何時に起きたとか、そういうことをいちいち秘書が新聞社に報告していること自体どうかしている。
 記事が書きたいんなら自分で取材しろよ(不法侵入で逮捕される覚悟を決めて)。
 相手方に電話で情報を教えてもらうつもりなら、ウソをつかれることぐらい覚悟しておいてほしいものだ。
 ばか。


4月14日 金曜日 晴れ
 T君発熱。
 看病と留守番。
 生産的ではないが、不可欠な仕事だ。
 もっと評価されるべきだと思う。
 看病と留守番。


4月15日 土曜日 晴れ
 NY株急落。前日比600ドル以上の下げ。
 おい! ついにアメちゃんのところのバブルが崩壊か?
 久々にわくわくするニュースだ。