3月26日 日曜日 晴れ
 週日昼寝。
 わかってるってば。
 本人が一番良くわかってるんだよ。
 な。
 だからしばらく放っておいてくれよ。


3月27日 月曜日 晴れ
 小野クン、代表辞退。大宮戦で痛がっていた右足首関節の遊離軟骨(通称:ネズミ)による痛みのためらしい。
 柳沢も辞退(風邪&首の痛み)したし。
 なんだか29日のニュージーランド戦は興味持てなくなっちゃったなあ。
 ま、オレのモチベーションが下がったからってどうってこともないわけだけどさ。
 

3月28日 火曜日 雨
 トルシエが日本サッカー協会を批判したというので、スポーツ新聞は大騒ぎだ。
 ふむ。
 トルシエの言っていることはもっともだと思うのだけどね。
「強化にとって大切なのは、監督や戦術ではない。選手の才能でもない。最大の問題は日程、スケジュールだ」
 フィリップ、君の言う通りだ。
 強化委員会の中にだってキミの意見に賛成する人間はたくさんいるはずだと思うよ。
 つまり、我々だって本当はわかっているんだ。
 ただ、この国の人間は、自分でわかりきっていることを実行することができない、と、そういうことなのだよ。
 ん? 意味がわからない?
 そうかもしれない。
 わかりにくいからね。オレらジャポネは。
 特に複数名詞として行動する時、我々は、ほとんど無人格なんだから。

 それに、そもそもいま私が使っている「我々」という代名詞自体が、本当は人称代名詞なんかじゃないんだから。
 つまり、「私」は人間でも、「我々」は人間ではないんだよ。
 人間で無いなら何なんだって?
 うーん。
 空気?……
 あるいは真空かもしれない。
 ともあれ、我々の国の人間は、組織で行動する段になると誰もが個人的な見解を引っ込めてしまうんだ。
 というのは、この国において、「協調性」という言葉は、「意見を言わないこと」を意味しているからだ。
 話し合って、互いの意見を取り入れることが協調じゃないのかって?
 違うんだよフィリップ。
 Aなる見解を抱いていながら、Bなる見解に妥協する態度は、「協調」とは呼ばれない。
 むしろ、はじめから見解なんて持たないことこそが「協調」の極意なんだな。
 集団の決定と違う見解を抱いているのだとしたら、それだけでその人間は「不満屋」ということになるんだ。もちろん、いかに集団の決定に妥協していようとも、だ。
 なあ、フィリップ。
 お願いだから、オレたち日本人が個性を持っていないだなんて思わないでくれ。
 我々は、ひとりひとりみんな個性を持っているし、それぞれに個人的見解も抱いている。のみならず独立した人格としての責任感だって備えている。
 ただ、会議の席では、そういうものをすべて引っ込めてしまうだけなんだ。
 だって、会議ってのは意見を言わないための装置だし、組織は責任解除のためのシステムってことになってるんからね。
「とすると、アナータたちの個性や見解や責任は、いったいどこで発揮されるンですか?」
 うん。
 鋭い質問だね。
 しかし、フィリップよ。覚えておくと良い。この国では、鋭い質問は、悪い質問だ。
 キミが代表監督をつとめているこの極東の島国では、相手が答えに窮するような質問を投げかけることは、その人間のアタマの悪さを証明する何よりの証拠になるんだよ。

 でもまあ、ほからならぬわれらが代表監督の質問なんだから、なるべく真面目に答えてみることにするよ。

 まず第一に、我々の個性は、個室で発揮される。
 第二に、我々の見解は、鏡に向かって吐露される。
 そして、第三に、我々の責任は、孤立という形で表現される。

 どうだい? こんなところで。
「そんなものは【個】とは呼ばない」
 そうかもしれないな。
 しかしフィリップよ、我々は【個】なんてものは人前に持ち出すものじゃないと考えているんだよ。
 フランスではたとえば、人前でげっぷをする人間は礼儀知らずってことになっていないか?
 うん。そうなんだよ。
 この国では、個性というのは、げっぷやペニスと同じで、便所もしくは寝室向きのものなんだな。
 いいかい?
 「会議」において最も大切なのは、「合意」だ。
 ん?
 キミたちの国でも同じだって?
 そうかなあ。
 オレの目には、キミたちは、「合意」そのよものよりも、「議論」というのか、「合意に至る過程」の方を大切にしているように見えるけどな。
 そこのところがうちとは違うんだよ。
 つまり、キミたちが大切にしている「議論」は、日本においては、短いほど良いというのか、できれば無い方が良いんだよ。
 であるからして、委員会の席で個人が意見を言うことは、合意を乱す態度として排除されるわけなんだな。
「おい、あいつは真面目に会議を進める気があるのか? 意見なんて言いやがって」とまあ、そんな調子なんだよ。
 フィリップよ。
 キミたちの国では、「会議」とは、「異なった見解をぶつけ合うべき場所」なんだろう。でもって、そうやって出てきたいくつかの異なった意見を調整することが会議の役割ってことになっているわけだ。
 でも、うちでは違う。
 異なった意見が出ただけで、それは会議として失敗なんだよ。
「紛糾した」
 とか言われて、評判が悪いわけだ。
 ん? 意見を言わないんならはじめから会議なんて要らないじゃないかって?
 まだわかっていないようだね。
 だからこそ、会議の席で変な意見が出ないために、事前に根回しをするわけで、根回しがあるからこそ、全員一致の結論なんていう信じがたいものが……


 これ以上ぐだぐだ言うのはやめておくよ。
 どうせわかってもらえっこないんだし、分かってもらえたとしても、どうせ軽蔑されるだけだろうから。

 トルシエには、あくまでもフランス風を貫いてほしい。
 「足並みをそろえる」だなんていうくだらないことに気を使わないでほしい。
 軽々しく協会批判をしたことを問題視するムキもあるようだが、私としては、むしろそれ(アタマの中で考えたことをそのまま口に出してしまうこと)こそがトルシエの最大の長所だと思う。
 代表監督として最悪なのはイエスマンだ。
 がんばれ。


3月29日 水曜日 雨のち曇り 一時雷雨
 吹く風がやけになまぬるい。。
 テレビのニュースでは「5月上旬並の暖かさ」と言っていた。

ball20.gif日本五輪代表VSニュージーランド五輪代表
 結果は4-0の圧勝。得点は、中村(FK)、高原2(ヘッドと左足ボレー)、小島(右足)。内容は点差以上に圧倒的だった。
 ニュージーランドには攻撃の意欲が感じられなかった。といってきっちり守ってカウンターを狙っていたのかというとそうでもない。プレスは甘いし、ディフェンスもアバウト。FW陣も高さこそあるもののそれだけ。唯一心配していたフィジカルの強さもまるで感じられなかった。
 というわけで、あんまり参考になる試合ではなかった。
※以下、雑感
 試合後、例によってトルシエが日本協会に対して不満を漏らしたようだ。
 気持ちはわかるが、短慮に走って辞表をたたきつけたりしないでほしい。


3月30日 木曜日 晴れ
 慈恵医大病院。
 今日もまたひどく暖かい。

ball20.gif浦和レッズVSサガン鳥栖
 7-0で勝利。
 BS1「J2速報」にて得点シーンを確認。
 素晴らしい。
 本当はJ2での勝利にこんなに喜んでいてはいけないのだが。
 でも、浦和関連の掲示板とかを見ると、ほかのサポ連中もはみんなはしゃいでいる。去年の秋のどんよりした暗さとはえらい違いだ。
「J2も悪くねえな」
 という声はさすがに表立った形で出てきてはいない。が、案外そう思っているファンも多いのではなかろうか。
 ともあれ、開幕4連勝だ。
 めでたい。

3月31日 金曜日 晴れ
 独協大学から郵便。
「なんだ?」
 と思って封筒を開けてみると、おお、オレのコラムが入試問題で使われたというではないか。
 謝礼として草加せんべいの詰め合わせと商品券。
 ううむ。
 こういうティピカルなオーソライズ実績は、ぜひ親戚筋に宣伝しなければならない。
 きっと自分の手柄みたいに喜んでくれるだろう。
 親戚っていうのは、自慢話を共有するためのシステムなわけだし。
 恥?
 恥は個人所有もしくはせいぜい家族限定の財産だよ。
 

●有珠山噴火。
 テレビの画面を通して、地震学者さんたちの高揚が伝わってくる。
 理系の学者さんは、正直だ。
 うれしそうな顔を隠そうともしない。
 せめて沈痛な表情をつくればいいのに。


  ●夜、テレビ埼玉にて「GOGOレッズ」を観る。
 開幕4連勝の結果を受けて、番組の雰囲気はひたすらに明るい。
 司会の水内もはしゃいでいる。
 おい、水内よ。
「J2も悪くねえなあ」
 なんて思ってないだろうな?
 オレか?
 ちょっと思ってる。

4月1日 土曜日 晴れ
 サッカー観戦に終始。

ball20.gifヴェルディ川崎VSジェフ市原
 つまらない試合だった。
 結果は0-1でジェフの勝利。
 まあ良しとしておこう。
 つまらない試合がヴェルディの勝ちで終わったりしたら目も当てられないからな。
 日テレの中継はTBSとは別の意味で腐っている(といってもTBSよりは100倍ましだけど)。
 放送そのものは、そんなに悪くない。
 ヴェルディーの選手を紹介するテロップにいちいちキャッチフレーズがついているのが気持ち悪い。
 「小林慶一・フィールドの職人」てなぐあいのヤツね。
 まあ、小林にしても昨シーズンは「フィールドの貴公子」だったわけで、それから比べればずいぶん実態に近づいて(たぶん本人からクレームがあったのだと思う。「お願いだからあの<貴公子>ってのをやめてください」とか)いる。でも、それにしてもやっぱりヘンなものはヘンだ。

 アナウンサーが露骨にヴェルディーびいきなのも見苦しい。
 元来、ファンが自分のひいきのチームを応援する姿は、おおむねほほえましいものだ。
 だから私は、アナウンサーが多少ひいきの引き倒しをしていても基本的には大目に見てやることにしている。
 でも、日テレ関係者がジャイアンツやヴェルディを応援するのだけは別だ。  あれはみっともない。
 ファンとしての無邪気な心情よりも、身びいきの匂いがするし、上からの指示やらサラリーマン根性やら、そういうものばかりが見えてきて、醜い。
 
 ともかくああいうのはやめた方がいいと思うよ。
 巨人ファンでさえ、「日テレの中継はなんだか恥ずかしいからやめてほしい」と言っているヤツが多いんだからさ。
 
ball20.gif鹿島アントラーズVS横浜Fマリノス
 2-3でFマリノスが逆転勝ち。
 奇妙な試合だった。
 Fマリノスは、次の試合から、いっそいきなり10人ではじめたらどうだろう。