2月20日 日曜日 晴れ
甲府行きを延期。
理由?
言ってもいいのか?
2時間は続くぞ。
2月21日 月曜日 曇り
眠い。
起き上がっても何もできない。
出発恐怖。
どうしてなのか、遠出の前には必ず突発的な抑うつ状態に陥る。
準備やらが強烈に面倒くさくなる。穴居時代の祖先の遺伝子だろうか。
2月22日 火曜日 @指宿 曇り
午前7時30分発のJAS鹿児島行きにて出発。
空港の近くでレンタカーを借りて、編集H氏、カメラマン氏とともに指宿温泉「いわさきホテル」を目指す。
途中、池田湖で小休止。大うなぎにびっくりするも、イッシー(池田湖に出現すると言われている観光用巨大生物)のセメント像に気勢をそがれる。
どこから見ても田舎の観光地だ。
淋しい。
年増芸者の足もとのおぼつかない踊りを見るようでいたたまれない。
湖面は、どうやら旅行者の気分を反映している。
そういう機能があるのか?
いまさら自分を見つめてみてもしかたがないのだが。
昼過ぎにホテルに到着。早速練習を見学しつつ写真撮影。
背番号8のレプリカを着て撮影をする私にペトロビッチが「シンジ! シンジ!」と声をかけてくる。手を振ると、「こっちへ来て一緒に練習しよう」と手まねで言う。大喜びでグラウンドにはいると、広報のS氏がすっ飛んできて「だめだめ!」と叫ぶ。
まあ、確かにマズいよな。
「練習とはいえ、真剣勝負の場なんだから」
等々と説教を浴びる。
どうもこっちがレプリカを着ていたりするのが気に食わないようだ。
つまり、「おちゃらけ取材はかんべんしてくれ」「約束が違うじゃないか」ということのようで、とにかくS氏はすこぶる機嫌が悪いのである。
「そんな格好をしてくるなんて話は聞いてないし」
「極力邪魔にならないようにしてくれ」
「外人はふざけて話しかけてくるかもしれないけど、間に受けてもらっちゃ……」
……
どうもこっちの意図が空回りしているようだ。一応、取材許可は事前に受けてるんだけどなあ。
やむなくリーガルな取材を断念して、ゲリラ的な撮影に終始。こっちとしても、4ページのグラビアページを作らなけりゃならないわけだし。池田湖のイッシーで4ページ持たせるわけにはいかないだろ?
ペトロに迷惑がかからなければ良いのだが。
練習はミニゲーム形式。大柴選手のドレッドロックと石井トシヤの短髪がなんだかすごい。
選手たちはしきりに声を出している。
上からの指示なのだろうか?
声の出し方がちょっと体育会式に感じられて心配。
いや、体育会の良さは良さ(気合、規律)として、ああいう風に声を出しつづけていると知能指数が落ちる(っていうか、練習の時からあんまり追いこんで声を出しているとクリエイティブなプレイ思考のさまたげになるような……)気がして。まあ、素人の私見ですが。
- 練習終了後、グラウンドの反対側のネットを潜り抜けて真っ先に外に出てきた大柴選手に遭遇。一緒に写真を撮る。愛想が良かった。
- ペトロとも記念撮影。感激。
- 小野伸二選手は、全体練習終了後も居残りで練習。若手(口のきき方からして同期か新人)の選手と組んで、色々と取り組んでいた。
- 伸二のリフティングは本当にものすごい。うさんくさいほどに巧い。まさに曲芸のレベル。
- 芝生の上に置いてあるボールを踏みつけて、かかとで蹴り上げてリフティングにはいる。普通はつま先でボールを跳ね上げるのだが……
- 足の甲でボールを転がして(地面に押しつけて)、そこからボールを浮かせる。どうやってやるんだ?
- 頭、首の後ろ、背中、足の外側、もも、どこでもボールを止めてしかも乗せておくことができる。
- かかとで蹴り上げたボールをつま先で蹴り上げて再びかかとへ……これぐらいは当たり前なのだろうか?
- コーナーキックの練習もしていたが、ボールタッチがやっぱりほかの選手とまるで違う。
- 練習の合間に、思い出したように腹筋運動をしたりストレッチングをしたりしている。志が高い。目指すところが違うと言う感じ。
いやあ、良いものを見た。広報に睨まれている気分はなんだか辛かったが。
追加練習終了後、小野伸二選手にもサインをもらう。読者プレゼントに欠かせないので、レプリカにもサインをお願いする。
編「あの、これ、読者プレゼントにするんで。ユニフォームにもサインを……」
伸「あ、広報の方には話が通ってるのかなあ?」
と、ここで広報のS氏飛んでくる。
事情を話すと
「じゃあ、書いてやれよ」
と、投げやりな言い方。
つらい。
そりゃ確かにそちらの想定した取材とは違うかもしれないけど。
小野選手は快くサラサラとサインをしてくれる。ちょっと救われる。
「とにかくねえ、カントクも怒ってるし、迷惑かけないでやってくれないと困るんだよ」
ん?
やはり、ペトロに呼ばれてグラウンドにはいったのがいけなかったようだ。カントクとししてはやっぱりキャンプの緊張感を壊されたくないんだろう。
明日は完全なゲリラ撮影だな。
夕食:指宿の中心街にある和食屋(名前失念)で、郷土料理のコース。きびなごの金属光沢に感動。オレが東京で食っていたきびなごは錆びていたようだ。
ホテルに帰ると、ロビーを浴衣の客が歩いている。
浴衣は法律で禁止してほしい。
我々はまあ仕事で宿泊していたわけだからどうでも良いといえば良いのだが、観光で来ている立場であの浴衣オヤジの大群を見たらリゾート気分が台無しになると思う。
白亜の建築も、熱帯植物の庭園も、窓から望む鹿児島湾の絶景も、白い砂のビーチも、プールサイドの午後も、まるごと台無しですぜ。
浴衣を着ないと観光に来た気分になれない世代がいるということなのだろうか?
それとも、団体旅行というのは、浴衣とセットになっていて、全員で同じ格好をして歩くことが彼らには必須なのだろうか。
いずれにしても、あれはやめてほしい。
ニューズウィークが特集(Amazing Yukata People!とか)を組まないうちに、浴衣猫背のオヤジをこの国から排除すべきだ。連中は日本人がらみのみっともない絵柄に目がないんだから。
どうだろう石原さん。ひとつ国に圧力をかけてみてくれないか?
「そんなに浴衣が好きだというなら、国会議員は浴衣着用で審議をやればいいじゃないか」
とか、そういうムチャを言ってみてほしい。
浴衣禁止法案が成立しないならしないで、せめて浴衣国会を実現してほしい。
いいんじゃないだろうか。
浴衣姿の場合、着ている人間の素の器量がそのまま露呈してしまうわけだし。
浴衣で立派に見えたら政治家も本物だぞ。
ってことはアレだ。
改まった席でこそ、浴衣がモノを言うわけだ。
浴衣結婚式とか、浴衣オペラとか、いっそ式典の類はぜーんぶ浴衣着用を……
以下自粛
2月23日 水曜日 @指宿 曇りのち雨
午前7時起床。
午前中、トレカ用撮影:サブグラウンドで全力疾走、キック、ヘディングなどの写真。ニセ伸二は辛い。惚れた女の前で道化をやっているみたいな気分。
昼は、砂蒸し温泉で撮影。
午後2時半より鹿屋体育大学との練習試合。45分ハーフ×3本の変則ルール。
1本目は、レギュラー組:なかなか点がはいらない。しかも途中からは雨。パッとしなかった。伸二がスルスルと抜け出して1点取っただけ。
終了後、誰か(後で報知新聞で確認したところ吉田コーチとのこと)が、路木を「ミチキー、全力でやってるのかぁあ」と逆サイドにまで聞こえる大声で叱責。これに対して路木が反発。一色即発の雰囲気。
路木「やってます!」(これも大声)
Y田「やってねーじゃないか!」(さらに大声)
M木「やってます!」(さらに大声)
Y田「おまえの全力はあんなもんか?」
路木「なにー」と、なぐりかかろうとするところを何人か(報知によれば小野君もはいっていたらしい)に取り押さえられる。
いやあ、なかなかの緊張感でした。
こういう雰囲気を「ピリッとしていてよろしい」とするのか、「高校の部活じゃないんだからさ」というふうに否定的に見る向きと両方あると思うが、どうなんだろう。
2本目以降は学生さんが疲れて、やりたい放題。
永井は一人で4点取ったようだ(最後の45分は見ていない)が、あんまり参考にならないと思う。ドリブルは冴えていたが、相手が相手だし。それに、縦の突破というよりは、横に流れるドリブルばっかりだった気がするし。
夕食は空港近くの「ざぼんラーメン」とかいう店でラーメン。
8時半過ぎのJALで帰京。スッチーというのはどうして皆が皆ああいうふうな笑い方(勝ち誇ったようなオホホ笑い)をするんだろう。デパートのねえちゃんの愛想笑いや土産物屋のおばさんの笑いとは明らかに質が違う。
- 愛想は売っても魂は売らないというプライドのあらわれ。
- そもそも客に対する敬意を欠いているからそれが表情に出る。
- JALの社員教育が腐っている。
- っていうか、オレが美人の笑顔に慣れていないだけ。
さて、正解はいかに。
2月24日 木曜日 曇り
腰痛。
腰痛は腰痛として原稿。
ベースボールおよび噂の真相の原稿を脱稿。
2月25日 金曜日 晴れ<br>
B誌の原稿を脱稿。
腰が痛いと仕事がはかどるようだ。
ガンにでもなったら凄い文章が書けるようになるかもしれない。
でも、健康の方が良いな。
文章の上手い病人なんかよりは、文章の下手な健康人の方が素敵だからね。
いや、健康であれ病身であれ、文章なんて下手な方が人間としては出来が良いのかもしれない。少なくとも、正直者はあんまり文章が上手くないはずだ。
2月26日 土曜日 曇り
甲府に出動。
正午頃、出発しようとすると、バッテリーがあがっている。
近所のスタンドの兄ちゃんに出動してもらう。
料金は2000円。高いのか安いのか。判断がつかない。
3時過ぎに甲府昭和インターに到着。N氏のグループ展に寄せる原稿のために作品を見る。
抽象芸術。
なるほど。
この種の作品は、観る側が気合をもって向かわないといけない。
夕刻に石和の温泉ランドで入浴&夕食。
大広間で素人のカラオケ演歌に閉口。
オレは心の底から演歌が嫌いなようだ。
退嬰的な歌詞。
湿度の高いメロディ。
ひねこびた歌唱。
石をひっくり返すと下から虫が這い出て来たりすることがあるが、演歌というのはたぶんその虫みたいなものなのだろう。
石は何かって?
この国の閉塞状況だろうか。
石の下にも3年。