8月8日 日曜日 晴れ
 目覚めると、外耳道の表皮が盛大に剥落している。
 脱皮だろうか。
 いや、外耳炎が治ってきている証拠だ。こうやって老化や病気によって細胞が死んでくれるからこそ、人体の健康は保たれている。
 というよりも、死なない細胞は、癌細胞だけなのである。
 癌細胞は不滅だ。それは総体としての肉体を保っている秩序とは無関係に、決して死ぬことなく増殖しつづける。
 つまり、ある組織に不老不死の一部分がある場合、それは組織全体から見れば癌なのだ。
 永久に不滅な存在たる巨人軍が、プロ野球界にとっての癌である事情と似ている。
 決して引退しない長老議員中曽根康弘や竹下登、死ぬまで経営権を手放さない企業トップ稲盛おまえだぞ、既得権益にしがみついている省庁や外郭団体……
 なんだか腐れ天声人語っぽいぞ。
 手練れのコラムニストによるワサビの利いた教訓話。
 職人芸としての警句いじり。ライターとしての堕落だな、これは。

 同じネタで、ゲロ「正論」「諸君」向けのコラムだって書けるぞ。
 やってみようか?
 昨日来、外耳道の表皮がしきりに剥落している。
 が、嘆いてはいけない。これは、外耳炎が治癒している過程の一段階なのだ。
 炎症は、たとえて言うなら肉体における局地戦である。より具体的には、細菌やウィルスといった外敵の侵略に対して、人体の防衛機能が発動された状態が、すなわち炎症と呼ばれる国境線の白熱状態なのである。
 有事(最近では、「周辺事態」という言い方もあるようだが)にあって、白血球は自らの命と引き換えに外敵を退治する。また、キラーT細胞は文字通り一人一殺の玉砕戦法で敵方の兵力を減殺する。
 これらの細胞は、人体の健康のために自らの命を捨てることにいささかの逡巡もみせない。それどころか、彼らの生は、自らの死のためにだけある。
 個の独立といった視点から、「公」のための死を軽蔑するのが戦後民主主義の通り相場であるようだ。
 しかし、もし仮に白血球が出動せず、キラーT細胞が日和見を決め込んでいたら、耳の穴に入り込んだ些細なばい菌が、人体を死に至らしめることになるだろう。
 その時、天声人語は、名誉ある平和主義をたたえるのだろうか。
 ははは。
 チョロいものだ。
 講演芸人になろうかな。
 右、左、環境、女性、経済からおしゃれな老後まで、何でもやりますよ。
 ご用命の向きはメールアドレスまで。といっても、どうせお前らみたいなネクタイにぶらさがって生きてる座敷犬には、オレを起用する根性なんかありゃしないだろうけどさ。安くしときますよ。


8月9日 月曜日 晴れ

ball20.gif京都VS浦和
 午前中に妻子を新潟に向けて送り出した後、ビデオで確認。
 なさけない。
 J2落ちが視野にはいってきた。
 後半途中から運動量がガタっと落ちる傾向は第一ステージから変わっていない。
 ダイオキシンのせいだろうか。

 午後3時、耳鼻科。
医 「あなたは、アレだね、外耳道がもともと狭いのかもしれないね」
オダ「はあ」
医 「耳垢取ってくれる人はいないの?」
オダ「……そういうわけじゃないんですけど。耳いじられるの苦手で……」
医 「こわいワケ?」
オダ「……ええ……」
 医者と患者の間には、微妙な上下関係がある。
 患者は、言いたいことを言えない。
 すみません。ありがとうございます。おかげさまで。気をつけます。ええ、わかってはいるんですが。……って、そんなセリフしか出てこない。  
ドクター、頼むよ。オレをヤワな男みたいに扱うのは勘弁してくれよ。  そりゃ確かにオレはマッチョじゃないし、見かけも中身も、到底、豪放とか磊落とかそういうタイプのナニじゃない。うん、そうだよ、苦手なものが多いんだ。実際、耳垢取りがコワいからこんなことになったわけだし、ゴキブリだって身の毛がよだつほどコワい。そうだとも、セロリも食えないし、赤貝の寿司は、赤貝を剥がしても食えない。だって、赤貝が触ってるからね。……でも、聞いてくれよドクター、オレは、蜂の子も食えるし、イナゴも食える。ヘビも食べたことあるし、カエルだったバクバク食えるんだ。そういう男をつかまえて、たかだか耳垢取りが苦手だってだけのことで……人を、当年とってシジュウニサイになる大の大人を3歳児みたいに扱っていいもんなのか? そりゃあんたは一生懸命勉強して難しい学部に入ったんだろう。そのことはオレだって認めてるよ。でもさ、オレだってオレなりには努力してここまでやってきたわけで……
 言えなかったので、書いてみた。
 言わなくて良かった。

 本を書こうか。
 人は何を言うべきでないか。
 男は何をすべきでないか。
 四十歳を過ぎた人間は、何をせずに生きていくべきなのか。
 それを、一から列挙して、項目別、五十音順、キーワードごとに検索可能な形で構成する。
 大著になるぞ。

 うん。
 わかってるってば。
 書かないべき本の筆頭だよな、こんなの。

 おまえのような無駄メシぐらいに食べさせるメシは無い、とおふくろは言う。
 あんたみたいな無駄ズボンはきにはかせるズボンは無い、とナオミは言う。
 そうだろうとも。
 あんたたちは正しい。
 どうせオレみたいな無駄口叩きの言葉を聞くのは、たぶん世界中でオレだけだ。
 しかも、そのオレの耳は外耳道が狭い。
 無駄な話だと思うか?
 おい、オレの言葉はムダだと思うか?
 ちくしょう。
 日記の更新にかまけているうちに、締め切りがいっぺんに4つも来ていたらしい。
 今日の電話ではじめて気がついたよ。
 本末転倒だよな。
 いや、本当のことを言おう。
 本当は、まるで気づいてなかったわけでもないんだ。
 ただ、やる気が出なかったんだよ。
 なぜかって?
 言わずにおくべきだろうな。
 さあ寝るか仕事だ。
 

8月10日 火曜日 雨のち晴れ
 久々の雨
 午後、雨上がりに虹
 北東の空に向かって叫ぶ
「それがどーしたぁ」
 返事はない
 天はどうやら私を問題にしていない
 いいだろう
 おまえの魂胆はわかっている
 虹の後には惨事
 見え透いた展開だよ
 賛辞?
 ばかばかしい
 オレを小学生扱いにするのか?



8月11日 水曜日 晴れ
 どうにもやる気が出ない。
 パンを買いに行く気もしない。
 原稿?
 120円で売ってれば買いに行くところだな。
 自分で書く気がしないんだから。

 原稿を書く作業そのものは、さして難しい仕事ではない。
 ある意味では、パンを焼くことよりもやさしい。
 が、モチベーションが水浸しである時、パンは膨らまない。
 イースト菌が溺死しているから。

 くだらない比喩を振り回すのはやめよう。
 文章は、小麦粉が膨らむみたいな調子で出来上がっているものではない。
 むしろ、徒労の積み重ねで構成されるものだ。
 だからこそ、その徒労を効果的かつ組織的に運営するためには、信仰のようなものが不可欠なのだ。
 いや、信仰と言うほど立派なものじゃない。
 ただの思い込みだ。
 たとえば、自分の文章は、広末涼子の撮影日記より価値があるはずだ、といったような。
 今は確信が持てない。
 だって、オレの原稿はボツで、広末の日記は堂々掲載なわけだから。


 愚痴?
 そうだよ。愚痴だ。
 42歳になればワニだって愚痴をこぼすようになる。

 しかたがない。
 膨らまないパンでも焼くか。


8月12日 木曜日 晴れ時々曇り
 慈恵医大病院。
 午後、長い昼寝。

 わかっている。
 日記を更新している場合ではない。
 原稿を書かねば。
 でもまあウォーミングアップってことで。

 それにしても、どうして私は原稿料を貰える方の原稿を後回しにして、こんな一文にもならないホームページの更新に労力を割いているのだろうか。
 わかっている。
 責任を伴わないからだ。
 結局、責任を伴わない原稿であるこのページの運営は、私にとって娯楽なのだ。
 仮に、このHPが1アクセス当たり10円でも稼ぎ出すということになれば、それなりの責任が生じる。
 そうなると、きっと私にとって更新作業は重荷になる。
 読んでいる側にだって、タダで読んでいるからこそ、面白がっている部分があるはずだ。
 無料の読み物であれば、面白いと思える一節を見つけた時に得をしたような気分になれる。つまり、無料原稿の読者は、得点法で読んでくれるわけだ。
 ところが、その彼らとて、金を払って読むということになると、にわかに厳しい減点法の判定基準を持ち出してくるに違いない。冗長な描写にはうんざりするだろうし、ひとりよがりの表現には鼻白むだろう。それどころか、自分の考えと違う主張が展開されていれば、腹を立てるかもしれない。
 なるほど。
 無料というのは、書く側にとっても、読む側にとっても、素晴らしいことであるようだ。
 インターネットがもっと普及すれば、ライティングの主流は、ボランティアということになるかもしれない。
 たぶん、そうなるべきなのだ。
 じゃあ、ライターはどうやって食っていったらいいんだ?
 知るもんか。

 上品ぶるのはやめよう。
 要するに私は、自分がカネのために原稿を書いているという事実が気に食わないだけなのだ。
 実際には、カネのために原稿を書いているくせに、というよりも、カネのために原稿を書いているからこそ、カネがちらつくと、一気にやる気がでなくなっちまうわけだ。
 やっかいなことだ。
 誰も、カネのためにセックスをしているとは思いたくない。
 だからこそ吉原の太夫はカネがらみでない間夫を持ちたがったのだ。

 ってことは、アレか? このページは、花魁の情夫みたいなものなのか?

●愛は地球を……
 ボランティアといえば、またぞろ「愛は地球を救う」の季節がやってきている。
 いいかげんにしてほしい。この暑いのに愛だの地球だのと、温暖化ワードをベタベタ並べやがって……
「いや、愛は地球を救うと思うよ」
 おい、本気か?
「本気だとも。それどころか、地球を救うのは愛だけだって言ってもいいと思うよ、オレは」
 どうしてさ。だって、愛ってのは、結局のところエゴだぜ。そんなものが地球を救ってたまるかよ。
「どうして愛がエゴなんだ?」
 ふむ。じゃあ、説明するよ。「自己愛」と言えばそのまま「エゴ」だ。ここまではいいな?
「ああ」
 で、これが「家族愛」なら「家族エゴ」になる。でもって、「郷土愛」は「地域エゴ」で、「愛国心」が「国家エゴ」だ。違うか?
「……うん。その通りかもしれない」
 とすれば、結局のところ、愛というのは、あくまでも範囲を限定したところで締結されている互恵条約みたいなものだ。しかも、家族愛は他人に冷淡だし、母校愛はライバル校を敵視し、祖国愛は仮想敵国に対する警戒心を前提としている。こんなものがどうやって地球を救うんだ?
「人類愛ってのはどうだ?」
 人類エゴと言えば言えないこともないけど、まあ、無効だよな、そんなものは。だって、エゴであれ、愛であれ、範囲が広がるほど薄まって曖昧になることになってるんだから。
「……とすれば、そりゃ地球を救うんじゃないかなあ」
 どうやって?
「だって、人類と地球を両方救うわけにはいかないだろ?」
 ん? どういう意味だ?
「だからさ。地球を救うためには、人類を滅ぼすしかないわけでさ。愛が人類を滅ぼすなら、その人類の滅亡こそが地球を救うんじゃないかってことだよ」
 ……お前、ひねくれてないか?
「っていうか、オレたち、どっちもひねくれすぎてて、これじゃ対話になってないよ」
 うん。筆者がキャラクターを描き分けられてないんだな。
「こんなもの書いてないで、ぜひ仕事に戻るべきだと思うね」
 わかったよ。


8月13日 金曜日 晴れ時々曇り、一時雨
 困った。
 原稿の締め切りが重なっているのに、どうにも手をつけることができない。
 酒をやめてから、あんまりこういうことはなかったのだが、どうしても年に一度ぐらいは、拒筆発作が起こるもののようだ。
 原因?
 ま、子供の登校拒否と同じだ。
 私の中の思春期が反乱を起こしているってことなのだろうと思う。
「なぜかって、やだからやなんだよ」
 うんうん。
 気持ちはわかるよ。
 七時になったらはじめようね。
 ナイターでも観ながらさ。
 ね。

 気分転換のために散歩に出てみたが、こんな気分の時に外界に触れてみても気持ちが萎縮するばかりだ。
 1780円のTシャツを買おうか、それとも1000円で2枚の方でがまんしておくべきか、さんざん迷ったあげくに、結局なにも買わずに帰った。
 貧乏は、人間のスケールを小さくする。

 いや。おっしゃる通りだ。
 人間の大きさは、経済力で測られるべきものではない。
 が、資本主義商品経済社会において、人間観が経済力一辺倒に傾くのはいかんともしがたい。
 結局、100万円稼いで100万円使う人間は、10万円稼いで10万円使う人間よりもスケールがデカいと、そういうふうに量で測定するほかに人間を評価する方法なんてありゃしないのだ。
 おしゃれだってそうだ。
 つまるところはファッション投資の総量で判定するほかにどうしようもない。

 結論を述べよう。
 ゴーマンかましてヨカですか?
 ……やめておこう。
 確信もないのに、大仰な結論を提示するものではない。
 それに、本当に傲慢な人間は、傲慢をカマす前に許可を求めたりしない。


8月14日 土曜日 雨
 13日付けの、ニュース23を観ている(14日、午前1時)。
 本当は、こんなもの観てる場合じゃないんだけど。
 あーあ。
 論評のしようがない。
 この番組には、ある恩人が関わっているんで、あんまりひどいことはいいたくないんだけど。
 でも、あんまりひどいよ、これは。
 「終戦特集。日本人の誇り」だと。
 あーあ。
 結局、やっちまったわけだ。
 例の見え見えのインタビュー構成企画を。

 経過を紹介しよう。

 6月の下旬に、おもだったサッカー掲示板に、ニュース23のスタッフを名乗る人物からインタビューの申し込みがあった。
 ダウンロードしてあったのでそのまま引用する。

私は現在、TBS系列「筑紫哲也ニュース23」の担当をしております
黒岩と申します(ディレクター)。一つお願いがございます。
7月2日に行われる五輪代表(U22)の試合を観戦される予定の
サポーターの方で、私どものテレビ取材に応じていただける方を
探しております。以下の内容で、ご紹介頂ける方、又は、
自ら取材に応じていただける方がいらしたら、
ご連絡いただけたら幸いです。

(企画テーマ)
日本という国についての思い。
自分がもっとも「誇れる瞬間」は。
自分たちのプライドについて。
日の丸・君が代についての思い
「日本人の誇り」について

(取材内容)
7月2日の観戦前、最中、後のテレビ取材。
自宅・職場・学校などでのインタビュー

(求めている人物)
サッカー大好き人間。 特に日本代表のファン。
日の丸・君が代に対して、意見のある方。
反対・賛成どちらでもかまいません。
連絡先: メールアドレス
    JNN03420@nifty.ne.jp
    (JNNのあとの「0」は数字の「0」です)
TBS ニュース23 
     黒岩亜純

以上のメールアドレスに
日中及び、夜ご連絡がつく
電話番号を送ってください。
時間が限られているので、
至急お願いいたします。
(6月27日 「サッカーカフェ」への書きこみ)

 このインタビューの申し入れが書きこまれるや、掲示板には、反発の書きこみがどっと寄せられた。
 いくつか紹介しておく(勝手に引用した人たち、ごめんなさい)

なに!?−−>○ニュース23はまったくそんなこと99:06:27:12:22:01

どうしてこんな時期(五輪予選)にそんなデリケートな問題をサッカーとからめ
てやるんだ?
何考えてるんだ!?
しかもアンチサッカーの筑紫司会の番組で。
こんな取材ぜったい受けちゃだめだー!

赤信号−−>○危険すぎる<国歌と国旗99:06:27:03:39:58

一般市民に「国旗、君が代」を語らせるのは危険すぎる。
もしかして中田の国歌のことも取り上げるのか?
彼はあのせいで右翼から命を狙われていた時期があったのに。
というか、こういう微妙な問題とサッカーを絡ませないで欲しい。
もし、そのサポーターの人の発言を右翼の人が聞いていて
長崎市長のようになったらどうする気だ?

「テロルの決算」という本を愛読書として中田が挙げていた。
この本はまだ、確固とした自分を持つ以前の
少年が、右翼という名のもとに社会党書記長を殺したルポだった。

今からでも良いから、こういう微妙な問題とサッカーを絡めた
特集は取りやめて欲しい。


TBS擁護?−−>○筑紫さんは好き99:06:27:16:14:15

私は筑紫さんは好きです。
ニュース23も毎日見ています。
彼の中立的で、公平な意見にはいつも感動しています。
学級崩壊や、テレクラなどのルポ、自殺願望の若者などの
ルポも非常に面白く見ました。
しかし!
この件に関しては、絶対にやめてほしいですね。
右翼には常識が通用しません。
これほど恐ろしいことはないです。
たしか坂本弁護士の件はTBS社会部の起こした事件だったと思いますが、
報道部も二の舞を踏むことだけはやめて欲しい。
TBSの報道部の仕事には前々から、「良い仕事をしている。」
と思っていただけに、余計に今回のことは残念です。


サスケ−−>○未来予想図ーニュース2399:06:27:18:14:04

記者「君達、なんで国旗振ってるの」
サポーター「カッコイイし、他の国でもみんなやってるジャン」
記者「昔、日本が中国、韓国を侵略したこと知ってる?」
サポーター「えー 知らなーい(合唱)」
筑紫「このように最近の若者たちは過去の歴史も知らず、一種のスタイルとして
   国旗を振っているようです。大変危険な風潮ですね」

以上の台本を忠実に演じてくれる方をTBSは探しております。興味のある方
は連絡してはいかが?

ベータ版−−>○筑紫哲也ニュース23、、、99:06:27:06:28:59

筑紫哲也ニュース23の取材を受けてみようと思っている人。
マジでやめておいたほうがいいよ。
筑紫哲也にいいように利用されて、ポイ捨てがオチ。
何か問題が起こっても、彼はなんの責任も取りません。

井沢元彦の本とか読んだことある人なら、この人がらみの取材なんて
絶対受けてみようとは思わないでしょう。

 サッカーファンが反発した背景には、筑紫氏および「ニュース23」が、普段からサッカーに対して冷淡な報道姿勢をとってきていたということがあると思う。でも、そうでなくても、誰が見たって、インタビューがどう扱われるか、見当がついてしまったからでもある。
 だって見え見えなんだから。
 で、私は、この企画はツブれたのだと思っていた。
 そもそもネットの掲示板を使って事前にインタビュー取材を承諾する人間を募集するという手法がそもそも無茶だし、一般のサッカーファンにこんなに警戒されている企画を無理やりに強行するはずもないと思っていたから。
 でも、やったんだね。
 あーあ。
 インタビューに応じたのは、以下の5組9人。
・短髪ヒゲ&茶髪ロンゲのフリーター二人組。アタマの軽い若者っていう役どころだな。
・文化人気取りのイヤミな事業家夫婦←この人たちは、成功者を自認(「はた目には華やかな暮らしをしているように見えるかもしれないけど……」だと)している。自信満々(兄たちは東大や外大とかの大学に進んだんだけど、私自身は大学に進むことがそんなに意味のあることと思えなくて……)。妻は美人を自覚。海外経験も豊富。はいはい。
・非インテリの夫婦。好人物。取材依頼を断れなかったのかなあ。
・若い娘二人。テレビに出たかったか?
・73歳の頑固っぽいじいさん。日の丸には反対。
 なんというのか、「いかにも」な取り合わせではある。
 「いかにも」過ぎて、二の句が次げない。
 まあ、取材にひっかかった面々は、いずれも、出たがりのおっちょこちょいであるには違いないんだから、本人としてはどう扱われようがそれで良いんだろう。
 が、いったいこの人たちの見解が、どこの日本人のどういう国家観を代表しているというのだろう?
 結局、泥付きのじゃがいもよろしく、スタッフに皮をむかれて、筑紫さんに料理されただけじゃないか。
 あーあ。
 サッカーカフェの常連さんたちが懸念していた通りの展開でしたね、結局。
 ポイントポイントで挿入される「ニッポン、ニッポン」の連呼の映像は、熱狂のコワさを暗示しているつもりだったのか?
 で、最後はやたらに情緒的な映像構成(「この国で死んで」というテロップ付きの倒れた人形の映像だとか)を延々10分以上。うわああ。だな。
 まったく。
 あんたたちは芸術映画でも撮ってるつもりなのか?

 個人的な見解を述べるなら、私は、国旗国家法には反対だ。
 この法律は、気味が悪いと思っている。
 でも、この番組はもっと気持ちが悪い。
 私が20年若かったら、このテの筑紫さんに代表される腐れリベラル連中の醸し出す臭気の不潔さに辟易するあまり、まっすぐに右翼への道を歩んだだろう。
 T村さん。
 しっかりしてくれよ。
 筑紫さんは、右翼少年を増やしてるよ。
 
 ところで、今朝ビデオで確認したところ、筑紫さんは、このインタビューの前振りでこんなことを言っている。
「私たちは、ある場所でたまたま出会ったごく普通の人たち、その人たちを通して、1999年の日本人の誇りを探ってみることにしました」
 ん?
 おい、「たまたま出会った」は無いんじゃないのか?
 だって事前にネットで募集して仕込んだんだから。
 ま、いいけどさ。