7月25日 日曜日 晴れ
 暑い。
 東京の最高気温は34.2度に達したという。
 食欲不振。
 ここ2〜3日ろくにモノを食べていない。
 まあ、ここのところ体重オーバー気味だったからちょうど良いのかもしれない。
 
 いつの間にやら、このホームページが1周年を超えている。
 昨日、メールを確認してはじめて知った。
 なるほど。
 義務と思わなければできるってことだ。

 さあ、仕事だ。
 明朝までに原稿を2本。
 なんとかやっつけてしまおう。
 義務を敵視してはいけない。
 食欲だって、考えようによっては一種の義務なんだから。


7月26日 月曜日 晴れ

 U誌とB誌の原稿をアップ。ついでに日記の更新とたまっていたメールの返事も書いた。
やればできるじゃないか。
 昼過ぎから歯痛。
 働くと痛む。
苦虫を 食いしばりたる 痛みかな
 午後4時、歯医者に駆け込む。
「治療途中で逃げるからですよ」
 わかっている。
「どうします? 治しますか?」
 口答えできない人間に皮肉を言わないでほしい。
「あーあ、3月に削ったところがまた虫歯になってますね」
 わかっている。
「どうします? また削りますか?」
 歯医者というのはサディストだと思う。


7月27日 火曜日 晴れ

 午後、暑さで目覚める。
 またしてもTBSの不祥事が発覚。
 報道政策局長の痴漢事件、乱交パーティー疑惑に続いて、今度は報道局社会部の記者が問題を起こした。なんでも入浴中の女性をビデオ撮影しているところを現行犯で押さえられたらしい。
「取材中」
 という言い訳で逃れようとしたらしい。
 ははは。
 もしかしたら、つかまるまでは、テレビマンの肩書きと報道の紋所が結構いろんなところで通用してたってことか?
 便所虫だな。
 「便所に落書きをしている」(←By筑紫哲也)われらネットワーカーの方がどれだけ高尚なことか。
 ついでに、志賀というアナウンサーが、例の乱交パーティーの舞台として噂になっているマンションで下着写真を撮られて、それが「フラッシュ」に掲載されることになったそうだ。
 論評の言葉もないな。
 このアナウンサーは、全番組を降板させられることになったというが、逆に言えば、動かぬ証拠が写真週刊誌に載ることが確定するまでは、処分もなかったってことじゃないのか?
 
 TBSには知り合いも多いし、それなりの愛着もある。
 が、このたびの一連の成り行きを見るに、起こるべくして起こった事件と言うしかない。
 だって、毎年、何百倍という倍率の入社試験を実施しながら、実際に入社している人間は、どこだかの御曹司ばっかりなんだから。
 これでは人材確保の段階ですでにスポンサー筋と癒着していると思われても仕方ないじゃないか。
 私が知っているだけでも、一部上場企業の社長の息子が何人かいるし、帝国ホテルの直系だとか岩波書店の息子だとかがゴロゴロ転がっている。
 お公家さん集団と言っては言いすぎかもしれないが、まあ、江戸末期の直参の旗本みたいなものだ。
 しかも、そのお旗本の周りには、大奥志願の町娘が百花妍を競って……
 やめておきましょう。
 武士のなさけ。
 ん? 「武士のなさけ」の意味がわからない?
 しょうがないなあ。
 これ以上は責めないから、さっさと自分で腹を切れってことだよ。


7月28日 水曜日 晴れ
 月食。
 はじめてナマで月食を見た。
 まるで感動しない自分にちょっと感動。
 

7月29日 木曜日 晴れ
 今日もまた暑い。

 なにげにテレビを観ていると、TBSが昼の時間帯にサッチー準主演のドラマを流している。
 おお。
 まさかとは思っていたが、本気で流すんだな。
 
 相次ぐ不祥事は、まあ防ぎようのない事故だったとしてもだ。この期におよんで、いまだに「怪傑熟女」に野村サチヨを続投させ、のみならず、新たにサッチーもののドラマを作ろうというのはどういう経営判断なんだ?
 夕刊フジのウェブページに「TBSの広告被害が深刻化している」という内容の記事が載っていたが、確かに、午後の時間帯のCMはちょっとすごい。
 「香典葬儀」だとかいう聞いたこともない会社(いや、会社の名前なのか金融商品の名前なのかわからない)のスポット(悪徳?)をはじめとして、J-POPのアーティストの新曲CDのスポット(こういうのって深夜枠でしか見たことなかったけど)だとか、どこだかの不動産物件情報、スライド切り替え(つまり動画じゃないってこと)の温泉宿のCMみたいなひどく安っちい代物がバンバンはいっている。
 ま、当然だろうな。
 マトモなスポンサーがつくはずがない。
 企業さんにしたって、知名度さえ上がれば何でも良いとい時代じゃない。
 やはり、サチヨがどこかで言っていた(らしい。私は直接きいたわけではない)という「TBSの今の社長は私のおかげで社長になれた」みたいな事情が、話半分であれ、存在するのだろうか。
 瀬島龍三がらみ?
 うーむ。

 ……っと、待てよ。
 サッチーのドラマに関しては、これが関西のローカル局(毎日放送?)制作であることを考えれば、別に意外な話でもないのかもしれない。
 関西では、サッチーに対して違う風が吹いている可能性もあるからね。
 一体に、大阪の人々は、スキャンダルに寛大だ。
 というよりも、マスコミの人間がよってたかって誰かのスキャンダルを追及しているような時、関西では、追求されている人間よりも、むしろ追求しているマスコミ人の正義ヅラの方を憎む傾向が強い。
 でなくても彼らは、お上だとか、マスコミだとかいった東京発の権威を好まない。
「さちよはん、がんばりーや」
 うむ。
 ありうる話だ。
 まあ、偽善を憎むあまり、悪党の味方をする関西人という人たちがいて、ちょうどこの国はバランスが取れるのかもしれない。
 ノック知事のセクハラ疑惑なんかも、もしあれが東京都知事の話だったら、とんでもない騒ぎになっているはずだ。
とてもじゃないけど
「ええやないか、ノックはんも男なんやから」
 というわけにはいかない(いや、すべての大阪人がノックのセクハラを許しているというつもりはないんですが……)であろう。
 いや、こういう見方は、大阪の人には心外かもしれませんけど。


7月30日 金曜日 晴れ
 例のサッチー&吉本のコメディドラマは、なぜか5回目で最終回。
 意味がわからん。

 アトランタで銃の乱射事件
 13人が死亡。
 全米ライフル協会は、例によって
「拳銃に罪があるわけではない。問題はそれを使う人間の側にある」
 という旨のコメントを出している。
 なるほど。
 ってことは、全米ライフル協会は、全米の人間が一人残らず理性的だという前提に立った上で、銃の自由流通を主張しているわけなんだな。
 
 善良で温和な人間が持っているのなら、銃はそんなに危険なものではないし、それはガンクラブの連中が言うように犯罪を抑止するツールとして役に立つのかもしれない。
 が、そもそも善良で温和な一般市民は、たとえ侵入者に対してであれ、銃を撃てるのだろうか?
 引き金を引く度胸を持っているのは、結局のところ、乱暴者だけなんじゃないのか?

 いずれにしろ、至近距離の人間を射殺できる人間は、滅多にいない。技術的にも心理的にも、他人を射殺できる人間はごくごく少数派だ。
 
 しかし、戦争になると、誰もが大量殺戮を犯す。
 それが戦争のすごいところだ。
 なぜかって、近代戦における殺人は、どこまでも抽象的な作業だからだ。
 バーチャルリアリティーの反対といえば言いのだろうか。
 つまり「非現実を現実に見せかける」のではなくて、「現実を非現実に見せかける」道具として、大量殺戮兵器が使われるわけだ。

 たとえば、自分の手で、自分の目の前にいる人間を殺したら、たいていの男は、その日一日メシを食えないだろう。
 目の前で自分が手にかけた人間が、断末魔のうちに死んで行くところを見て、平静でいられる人間は少ない。
 が、近代戦では、ボタンをひとつ押すだけで人を殺すことができる。
 しかも、殺人者は、死体を見ないで済む。
 これなら、オレにだってできるかもしれない。
 実際、ナイフなり拳銃なりで人を一人殺すよりは、ミサイルのボタンを押して、遠く離れた町を丸ごと破壊することの方が心理的な負担は少ない。
 どちらかをやれというのなら、私は後者を選ぶだろう。
 たとえ、それで数百人が死ぬのだとしても、だ。
 
 結局、武器発達のもっとも大きな意義は、殺人の能率化という技術的な側面よりも、むしろ殺人をいかに人の手から遠ざけるかというところにあったのかもしれない。

 たとえば、ある男が射殺される。
 殺したのは誰だろう?
 弾丸?
 いや、引き金を引いた指だろうか?
 それとも、命令を出した隊長?
 いや、作戦を立案した参謀本部だろうか?
 というよりも軍の最高責任者である元帥なのか?
 それとも、そもそも参戦を決定した首相にすべての責任は着せられるべきなのか?
 いや、その首相を信任した人民が結局は戦争の当事者であり、殺人の実行犯なのか?

 ひとつの解答例を示そう。
 従軍カメラマンを自称する軍事オタク、K君の意見はこうだ。
「戦争に良い悪いはありません。ただ、勝ちと負けがあるだけです」
 なるほどオタクさんらしい明快な意見だ。
 で、彼によれば、日本は、一連の戦争犯罪について、一も二もなく謝罪しつづけるべきだというのだ。
 もちろん、悪かったからではなくて、負けたからだ。
「でも、いつまで謝りつづければいいわけ?」
「次に勝つまで、です」
「えっ?」
「だから、次にやる時は、絶対に負けちゃいけないんです」
 うーむ。
「つまり、キミの言う戦争犯罪っていうのは、負けたという事実そのものなわけだね」
「その通りです。戦争における唯一の犯罪は敗北です

 ヘンな話だ。
 たとえば、2対3のスコアで負けたサッカーチームは、自分たちが2得点したことを、相手チームに対して謝罪しなければならないのだろうか?
「当然ですね」
「どういうふうに?」
「だから、『ゴールキーパーの気持ちを考えたことがあるのか?』とか、『ディフェンダーに対する不当な攻撃だ』とか、人権団体が騒ぐわけですよ」
「でも、そりゃお互いさまだろ?」
「いいえ。勝った側の得点は栄光の輝きであり、勝利の証明であり、正義の鉄槌です」
「負けた側の得点は?」
「戦争犯罪であり、許しがたい暴挙です」
 うーん。
 ってことは、負けた側は再戦を期待せざるを得ないじゃないか。
「だから僕は言ってるんですよ。謝って謝って、土下座しながら、再軍備って」
「ヘンだなあ」
 うむ。
 ヘンだ。
 が、オタクはえらい。
 なにしろ、モラルのひとっかけらも持ちこまないんだから。


7月31日 土曜日 晴れ
 長い昼寝。
 昼過ぎにテレビをつけるとフジテレビで「チェキッ娘」(「ちぇきっこ」と読むらしい。はじめて知った)の番組をやっている。
 くそ。
 秋元康の商売は、おニャン娘の時から、まるで変わっていない。
 というよりもグレードアップしている。
 つまり、あらゆる場所で、発注者と受注者を兼ねる(ってことは、裏金使い放題)立場に立っているわけだ。
 なんだか、財団法人の理事に収まった右翼の大物が、別に理事をやっている団体に寄付をしていた(笹川さんのことだけど)姿と似ているなあ。
 っていうより、お役所に食い込んだ土建屋が、ハコモノ行政施設の建設を請け負うのと同じ構造かもしれない。
 しかも、秋元の場合、その公民館の運営にかかわり、イベントやら、企画、さらには清掃業者から産業廃棄物処理業者まで、ぜーんぶ一人でやっている。
 たとえば、オレがそこいらへんの中堅出版社の社外取締役になったとして、雑誌の編集権に介入して、息のかかったライターを使(たとえばヨメさんとか)って、編プロは小田嶋事務所に丸投げしたらおいしいだろうな。
 いや、単に忙しいだけか。

 ともかく、その秋元大活躍の結果が1000人のリストラってんだからセガとしてもたまらないだろう。

ゲーム屋の 背伸びしたるも セガ足りず
 か。
 あわれな話だ。


●Jリーグオールスター
 テレ朝にはスポーツアナがいないのか?
 ま、仕方ないか。
 柳沢のケガが残念。
 

●スーパーサッカー
 この番組はサッカー番組ではない。
 これに比べれば、テレ朝のサッカー中継の問題点もごくごくささいなことに思えてくる。
 それほどにこの番組は腐っている。
 オールスター戦については、たったの3分。
 で、「チームCM大賞」だとかいう腐った企画に15分かけている。
 …………(無言。約5秒)
 ばか。
 ここのスタッフは何を考えているのだろう。
 サッカーチームにプロモフィルムを作らせようという企画の意図は何なのだ?
 いったい何が狙いなんだ?
 素敵なプロモフィルムを作ったり、笑えるギャグをやってみせるセンスは、テレビ局の人間にとっては大切なことなのかもしれない。
 が、サッカー選手にそんなものが必要だろうか。
「おい、おまえたちにも、オレたちテレビ局の人間がやっているようなハイセンスな仕事をやらせてやるぜ」
 ってことか?
 それとも
「ほら、自分でやってみろよ。たった30秒のCM作るのだって大変なんだからな」
 ということを非マスコミ業界人であるサッカー選手に思い知らせようってことか?
 いずれにしろ、この企画はギョーカイ人の思い上がり以外の何物でもない。
「みんな、オレたちのマネしてみたいはずだからさ」
 というのが見え見えだよ。
 
 逆にいえば、こんなおちゃらけたプロモフィルムみたいなものを真剣につくるチームがあったら、そんなチームはダメだとオレは思うぞ。
「バカ言うなよ。こっちだって忙しいんだ。そんなテレビ屋主導の学芸会に付き合ってるヒマはないよ」
 と断るチームは無かったのだろうか。
 レッズはよかった。
 オカノ、永井、路木、中村忠が、
「がんばります、よろしくね」
 みたいなことをリレーでしゃべるだけ。
 何の工夫もなし。
 時間も手間もかかっていない。
 これでいいのだ。

 この、TBSという局のサッカーに対する理解の低さは、ある意味、痴漢局長や入浴盗撮報道部員の犯罪よりタチが悪い。
 私生活がどうあってもかまわない。
 乱交パーティをやるのも良いだろう。
 オレは許す。好きにやってくれ。
 ただ、サッカー中継とサッカー番組だけは、しっかり作ってほしい。  
 たのむ。