1月26日 日曜日 晴れ
 何をしていたのか思い出せません。


1月27日 月曜日 雨
 朝から雨。
 ということで、終日蟄居。
 先週の金曜日に放映された「千と千尋の神隠し」は平均視聴率46.6パーセントを記録したのだそうだ。
 びっくり。


1月28日 火曜日 晴れ
 未明に起き出して原稿執筆。
 意外にはかどる。
 午前中に打ち合わせ。
 午後、長い昼寝。

 そろそろ立ち直らねばならない。
 何から?
 いや、何ということもないのだが。
 春が来れば、なんとかなるだろう。
 
03/01/28/火 22:33

1月29日 水曜日 晴れ
 寒い。

※一般教書演説
 11時過ぎに目を覚ましてテレビをつけると、ブッシュ大統領の演説が同時通訳付きで生中継されている。
 あまりにも内容が見え見えなので、通訳抜きでもほぼ理解できる。
 実際、使われている単語が英検3級程度の西部劇英語ばっかりなわけだし。
 しかも、2分に1回ぐらいのタイミングでスタンディングオベーションが起こって演説が中断している。
 すごい。
 ネタみたいだ。
 というよりも、なにかのパロディーみたいに見える。
 が、これが現実なのである。
 モンティパイソンか何かの映像で、こんな感じのスタンディングオベーションネタ(←矢鱈滅鱈に拍手が起こって演説が中断するネタ)があったような気がするのだが、どうやらアメリカ議会の現実は既に喜劇を超えているのだな。

 考えてもみてください。
 いずれ劣らぬ年寄りぞろいの議員さんたちが全員で立ったり座ったりを100回以上ですよ。
 これだけでも単純に苦行だと思うのだが、アメちゃんはああいうのが好きなのだろうか?
「断固たる決意
「イラク国民の自由への戦いを支援」
ニューヨークの瓦礫でわれわれは決意……」
「アメリカはこのようなサダムの脅迫を許さない……」
 と、扇情的な単語が出るたびに拍手の渦。
 なるほどね。
 彼の国が戦時体制にはいっていることをあらためて確認させてもらった。

 ところで、昨日(1月28日)のニュース23では、筑紫さんが「戦争ボケ」という言葉を掲げて(←「多事争論」の毛筆書きのテーマにしてました)好戦的なアメリカを皮肉っておりました。
 馬鹿だなあ。
 一本取ったつもりなんだろうか。
 バカだなあ。
 いや、ブッシュが馬鹿なのはもちろんですが、そのブッシュを馬鹿にしている筑紫さんがまた、ブッシュに劣らぬ馬脚鹿頭を露呈しまくってたものですから、思わず「馬鹿だなあ」という詠嘆をかこってしまったわけです。
 私自身、9.11以来のブッシュの暴走には呆れているんですよ。
 でも、そんな私でも、筑紫さんのこの日の言い草はヘンだと思いました。
 だって、言うに事欠いて「戦争ボケ」ですよ。
 出来の悪い造語を振り回すことは、これは、ジャーナリストが犯してはならないミスの筆頭格にあたるものです。
 造語を使うのなら、誰もが納得できる秀逸な作品を提示しないといけません。
 逆に言えば、飛びぬけて優秀でないのなら、はなっから造語など使うべきでは無いということです。諸刃の刃(←誤記です。読者よりメールでご指摘をいただきました。うわあ。今の今まで間違いとは知りませんでした。というわけで、訂正03/01/31/金→)諸刃の剣。素人にはお勧めできない。それが、造語ってものです。
 デキが秀逸でないのなら、せめて、笑って許せるおバカな語感が無いと救いがありません。
 ……というところへ持ってきて、戦争ボケ、です。
 うわあ。
 ひとりよがりのヒネリの甘い造語。
 致命傷ですね。
 「戦争ボケ」だなんていう、こんな爺さんの反射神経で思いついた半端な皮肉をテレビ電波で流して、無事で済む道理があるでしょうか?
 ありません。
 良いはずがありません。

 いや、筑紫さんが出来の悪い造語を考え付いたところまでは仕方がない、ということにしておきましょう。
 お年がお年ですし、出自が出自ですから。
 エリート記者には、エスプリが無い。これは豚に角が無いのと同じで、宿命です。

 でも、だとしたら、こういう時こそ、スタッフが直言しなければいけません。
「筑紫さん、それ、イケてませんよ」
「戦争ボケ……ですか? なーんかピンと来ませんねえ」
 と、面をおかしてダメ出しをすべきでした。

 おそらく、筑紫さんは「平和ボケ」への切り返しとして、何か痛烈な言葉を使いたかったのだと思う。
 とすれば、「覇権ボケ」の方が、ずっと意味的にははっきりしているし、語感の鮮烈さをとるなら「オイルボケ」「テロボケ」「テンガロン頭」「ガンマン政治」「テキサス安打政権」「プレッツェルプレジデント」ぐらいは言うべきだった。

 ともあれ「戦争ボケ」は、現在のアメリカの状況をまるで説明していない。意味が曖昧すぎる。
 考えてみましょう。
 パロディーのネタ元である「平和ボケ」は、「平和に狎れて正常な危機感を抱けなくなっている精神状態」を指している。
 とすれば、その対義語である「戦争ボケ」は、「戦争が常態化している状況下で、死や危険に対して無感覚になっている精神状態」であるはずだ。
 とすれば、これはパレスチナの現況を皮肉る場合にこそ使われるべき言葉であって、ブッシュ政権の態度に対する批評としてはまったく的外れだ。。

 むしろ、筑紫さんの「反戦ボケ」を指摘しておきたい。
 説明するのも野暮だが。反戦ボケとは「反戦的な言説を吐いてさえいれば、世間に良心的なジャーナリストと判断してもらえると思っている、古手の新聞人の甘え」のことです。

 結論を申し上げるなら、ブッシュさんに対する批評としては、
 ブッシュ必死だな(藁
 という、@2ちゃんねる風の捨て台詞が一番有効だと思います。
 必死であることのどこがいけないのかはともかく、必死だな(藁、という指摘は、万人にとって痛いですから。


 午後7時。A誌の新年会に出席するべく築地に出動。
 編集部のイベントに参加するのは、5年ぶりぐらいだろうか。
 半ば出来レースのくじ引きでデジタル顕微鏡をゲット。
 何と言うのか、お客様扱い、ってことですね、つまり。
 ありがたいようなつらいような。

 午後10時頃に帰宅。


  1月30日 木曜日 晴れ
 寒い。


1月31日 金曜日 晴れ
 おっと、ニュース23でローリングストーンズの特集をやっている。
 草野さんはシカゴまで取材に行ったようだ。
 コンサートを聴いて、楽屋に入って、メンバーそれぞれに単独インタビューをして……ううむ、楽しそうだ。
 いいなあ。
 いつも思うのだが、この番組の企画の何割かは純粋にスタッフ(特に筑紫さんだが)の道楽のために発案されている。
 いや、どんな番組にも似たような部分はある。わかっている。雑誌の企画にだって必ず一定量のスタッフ慰安が含まれている。それが悪いというのではない。それどころか、作っている人間が楽しんでいるのでなければ良いものはできやしないのだ。うん、わかってるってば……でも、それでもなお、この番組の企画の方向性には、なんともいえない胡散臭さを感じるわけなのだよ、アタシは。

 カルチャー臭さ、と言えば良いのだろうか。
 サロン教養の無批判な受容と、寛大ぶったリベラルな薀蓄。
 で、行き着くところは、安ロココのざあます趣味。
 隠し味にロケンロール。
 もちろん、あの筑紫さんが本気でロックなんかを聴くわけではない。
 古き良き反体制カルチャーの一体感(大江健三郎が「宏大な共生感」と呼んだ'70年代のインテリのクソ甘ったれた共犯意識)を懐かしむために、スパイスとしてロックを利用するってだけの話だ。
 
 育ちの良いインテリがちょっと不良ぶったというぐらいのスタンス。
 自分では反骨のつもりでいるディレッタント。
 ネクタイに対するループタイぐらいの立ち位置。
 ローリングストーンズを「永遠の不良少年」と呼ぶセンス。
 どうせサリンジャーあたりを読んで感動したクチの腐れリベラル。
 ホールデン・コールフィールドが口走る翻訳調の口汚さにびっくりしちゃう頃合の上品な言語体系の持ち主が辞書片手に解釈するブラウンシュガーのワイルドさ。
 

 進学校の受験生が悪ぶって「チャタレイ夫人の恋人」を読む程度の逸脱。
 不良ぶっても、雀荘には出入りしない。
 反抗はしても堕落はしない、とかいった調子のあらかじめ手配済みの弁解。
 5時半のバスで必ずおうちに帰る範囲内でのプチ不行跡。
 田舎から出てきたエリート学生が学生デモの後ろの列に着いて歩くみたいな。
 だからこそ、彼らにとってローリングストーンズは永遠の不良少年なのだな。
 しかも「不良少年」をほめ言葉として使っている。
 ってことはつまり、自分たちがガチガチの良識派だってことを告白してるわけだ。
 良識。
 キースリチャーズに向かって「9.11のテロ以来、アメリカでは、リベラリズムが失われていると思いませんか?」と問いかけてしまうセンス。
 何を証明したいんだ?
 
 おいおい、ミックジャガーに反戦演説をさせてるぞ。
 いや、ミックジャガーの立場が反戦である事情はオレにはわかる。
 当然だ。
 キースリチャーズだって、ドラッグの話をさせれば必ず反ドラッグの演説をするにきまっている。
 当然だ。
 マラドーナだってコカインはいけないと言うだろう。
 オレも同じ意見だ。
 コカインもヘロインも酒も戦争も、決しておすすめできるものではない。
 当たり前だ。
「イラク攻撃についてどう思いますか?」
 と、世界中のどのミュージシャンに聞いても答えは同じだ。
「戦争はうんざりだね」
 と言うに決まっている。
 なぜかって?
 そう答える決まりになってるからだよ。
 ミュージシャンは反戦。
 女優さんは動物好き。
 そういうものなんだよ。

 問題にしなければいけないのは、ミックジャガーをつかまえて、こんな答えの分かりきった退屈な質問をぶつけている人間の了見だ。
「ポストは赤いと思いますか?」
「雨の降る日は天気が悪いと思いますか?」
 って、そんな自明の質問に対する自明の答えを、オレはミックの口から聞きたいとは思わない。
 もっと聞くべき話がほかにいくらでもあるだろ?
 せっかく時間を貰ったのに。
 なあ、誰にでも与えられるチャンスじゃないんだぜ。
 ミックジャガーとキースリチャーズに、それぞれ単独で、直接質問できる機会を与えられるなんてことは、滅多に無い幸運なんだぞ。
 だから、質問の時間はもっと有効に使ってくれよ。
 たとえば、「ヤギの頭のスープ」は本気だったのか? でも良いし、「シンパシーフォーザデビル」の「デビル」は具体的には誰のことだったのか? でも良い。
 何? 山羊の頭のスープを知らない?
 マジか?
 ひとつだけ質問させてくれ。
 ストーンズとユーミンではどっちが好きだ?
 ん?
 正直に答えろよ。
 答えようによっては……
 頃すぞ。
  
03/02/01/土 00:47 

2月1日 土曜日 晴れ
 
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21世紀枠は隠岐と柏崎 センバツ出場校決定
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 第75回選抜高校野球大会(3月22日から11日間・甲子園)の出場34校を決め
る選考委員会が31日、大阪市の毎日新聞大阪本社で開かれ、「21世紀枠」で隠
岐(島根)と柏崎(新潟)が選出された。両校ともに甲子園は春夏通じて初出
場。
 「21世紀枠」は部員不足などの困難を克服したチームや、他校の模範となる
チームを選出。隠岐は離島という多くの困難条件を克服し、島民と野球部員が
支え合っている点、柏崎は豪雪地で、さまざまな工夫をこらした練習を自主的
にこなしている点が評価された。柏崎は北朝鮮による拉致被害者、蓮池薫さん
の母校。
 一般選考の31校、希望枠の1校を合わせた全34校の組み合わせ抽選会は3月
15日に行われる。
以上、スポニチメールより

 あれ? この21世紀枠って、新世紀の初年だけの特例じゃなかったわけ?
 ってことはつまり、アレですか? 利権?
 
 選考基準の中にある「他校の規範となるような」という文言がポイントだな。
 つまり、野球の実力とは別の(つまり、政治的だったり縁故優先であったり話題先行であったりするかもしれない、恣意的かつ強権的なスタンダード)基準を、それも高野連の爺さんたちの胸先三寸で決定できるわけだから。

 まあ、どうでも良いか。