1月6日 日曜日 晴れ
 体調不良につき絶食。
 しばらくものを食べないでいると体調が回復する私はもしかしたら半分ぐらい爬虫類なのかもしれない。


1月7日 月曜日 晴れ
 ipod導入のためにMACのOSをバージョンアップ。
 ちょっと恐かった。
 というのも、8.6から9.1にバージョンアップしようとするといきなり「ファームウエアの更新」を指示されたからだ。
 おい、大丈夫なのか? サードパーティーのSCSIボードを載せて、でもってそれにプリンタやらMOやらを数珠繋ぎにしているウチのG3マックは、OS9の公式なサポートの守備範囲に入っているのか? ファールゾーンじゃないのか?
 確信は無かったが、乗りかかった船ってことで、ファームウエア更新を強行。
 と、「いくつかの機能拡張が失われますが云々」というメッセージが出て、「よろしいですか?」とたたみかけてくる。
 よろしいもよろしくないも、ここで「イエス」と言わなければインストールが完了しないわけだろ?
 違うのか?
 ……
 と、色々とごちゃごちゃしたこと(9.1から9.2へのバージョンアップは、ネット経由で差分ファイルを持ってこないとならなかった)があって、とにもかくにも9.2のインストールは無事(といっても、プリンタドライバとかは全部無効になってましたが)完了。
 
以下、作業手順はこんな調子。


 おい。
 3時間経過。
 この間、@2チャンネルのipodスレを熟読して、リセット方法を発見。ipodのマニュアルは英語のみ。リセットについては記載が無い(と思うぞ)。どういうことなんだ?

 いったんリセットした後に再度トライしてようやくファイルの転送に成功。

 フリーズの原因は結局分からず。
 でもまあ、終わり良ければすべて良しと、簡単に機嫌を直す。
 MacユーザーはMacに甘い。
 うん、おっしゃるとおりだ。
 が、Macに甘くない人間でないとMacユーザーなんてやってられません。
 キーワードは愛。
 いまどき「愛」だぜ。言うに事欠いて。
 まったく。
 
 
1月8日 水曜日 晴れ
 ipod三昧。
 素晴らしい。
 5ギガのライブラリが手のひらに入るというのは、事実としてはそれだけのことだが、実際に体験してみると世界が変わるみたいな感じだ。
 自宅リスニングルームの全世界的拡大。
 っていうか、自室ヒキコモリ状態での外出の自由化だな。
 いずれにしても素晴らしい。
 こいつを耳に装着して外界を歩いてみると、景色まで違って見える。

 唯一の問題は、これがアップルからの借り物だってことだ。
 返したくないなあ。
 担当者の始末書とかでなんとかならないものだろうか。
 私はBGM無しの風景に慣れることができるだろうか。

 原稿は、「外に出たヒキコモリ」ぐらいのことで行けるだろう。
 うん。素敵な主題だ。
 音楽のバリアで防衛したヒキコモリの散歩。
 シェルター付きの移動独居房。
 21世紀のカタツムリ男。
 

1月9日 水曜日 晴れ
 トルシエが出るというので久々に「ニュース23」を観た。
 筑紫さんと20分ほど(正確に計ったわけではありませぬ)だらだらと語っていたが、内容は「日本文化とヨーロッパ」だとか「日本の若者像」だとかいったあたりの茶飲み話に終始。予定調和。サッカーについてはほとんど突っ込んだ質問無し。がっかり。
 筑紫さんがサッカーに詳しくないのはしょうがない。その意味では、にわか勉強で付け焼刃の知識をつけたりせず、あえてサッカーについて尋ねなかったのは、彼なりの見識なのかもしれない。
 でも
「あなたはほとんど冗談をいいませんね」(by筑紫翁)
 にはちょっとまいった(トルシエも参っていた)。
 無知不勉強にも限度というものがある。
 そのジョークが面白いかどうかは別として、トルシエほどあらゆる場所でジョークを言おうとする人間は稀有だ。「場違いなジョーク」ということで言えば第一人者であるとさえ私は思っている。
 筑紫さんはこう尋ねるべきだった。
「あなたのジョークはいつも場違いな感じがするんですが、そりゃ狙いなのでしょうか?」
 こういう的確な質問をすればトルシエだってもっと乗ってきたはずだ。
「おおテツヤよ、なんてことを言うんだ。キミにはエスプリがわからないのか? 優れたジョークは、常に聞き手に場違いな感じを与える、と、そういうことに過ぎないじゃないか」
「つまり、笑えないジョークほど良いと?」
「ちょっと違う。むしろ、優れたジョークは聞き手を選ぶと言うべきだろう」
「で、誰も笑わないあなたのジョークは良いジョークなのですか?」
「いいかねテツーヤ。ジョークにとって最も大切なのは笑いではない。違和感だ。場の雰囲気を破壊することが何より重要なのだ」
「とすると、あなたのジョークは会話におけるテロなのですね」
「最後の手段という意味で言うならそうだ。私は日本人の無意味なニヤニヤ笑いを凍りつかせるためにジョークを飛ばしている。私はジョーカーだ。しかもエースでジャックでおまけにクイーンだ。言ってることの意味がわかるか?」
「……わかりません」
「自分のジョークを解説するのはエスプリを欠いた態度だが、まあ特例としてコーチしてあげよう。つまり、フィリップトルシエについての現状を分析すれば、私は日本サッカー界の切り札だ。が、キングではない。しかもモーホ説まで流れている。そういう状況をふまえて、私は自分がジョーカーだと言っている。そしてジョーカーはキングより強い。わかるか?」
「……日本にババ抜きというゲームがあるのをご存知ですか?」
「知っている。誰もが私を避けている。キミも同様だ。なんとか私との時間を無難に逃れようとしている。言っておくがそういう態度は醜いぞテツヤ」
「……いや、そんなことは」
「結局、凡庸さの中に安全を求める日本の視聴者にはテツヤ・チクーシのようなハートの3ぐらいのキャラクターが一番フィットしているということだ。どうだ? 異論があるか? 反論があるか? テツーヤよ。男なら絵札になれ」
「……私はキングのつもりなのですが」
「っていうか、あんたはタロットの死神みたいだぞ。ある意味で死んでいるぞ」
「……あなたこそ花札の猪ではないのですか?」
「むしろ道風の蛙と言ってほしいのだがね。カエルは柳の枝に跳びつくしかし、届かない。それでも何度でも跳ぶ……まるでフィリップトルシエそのものじゃないか」
「届かないところがですか?」
「違うよ爺さん。何度でも跳ぶところが、だ。いずれにしてもあんたは跳ばない。シュートも打たない。スタッフに安全なパスを貰って、誰もいないピッチで一人でドリブルをしている」

 一サッカーファンとしては、きちんとしたインタビュアーを立ててほしかった。
 筑紫さんが無能だと言っているのではない(いや、無能ではあるんだけどさ)。
 私が言っているのは、彼が質問者として不適格だということだ。
 不適格は無能よりも悪い。
 たとえばの話、私がインタビュアーだったとして、ミハエルシューマッハみたいな人にきちんとした質問ができるのかといえば、できっこないわけで、であるから私はそういう仕事は来ても断る。
「素人ならではの新鮮な視点から」という弁解は、こういう場合、許されない。
 そういうことが許されるのは巨乳レポーターだけだ。


1月10日 木曜日 晴れ
 そろそろ仕事。
 オフ明けは脳みそが肉離れを起こさないように慎重にウォーミングアップ。
 

1月11日 金曜日 晴れ
 仕事にはげむ。
 なかなか調子が出ない。
 いや、そんなに微妙なものでもないのですが。


1月12日 土曜日 晴れ
 朝方、為替を現金化するべく郵便局に行くと、休日用の窓口しか開いていない。
 郵便局はいつから土曜日を休むようになったのだろう。
 ってことは、この為替が金になるのは来週の火曜日以降ということだな。
 郵便局を存続させねばならない理由がますます理解できなくなってきた。
 私の家から一番近くにある局は、せいぜい十坪ほどの広さで、窓口は3つしかない。にもかかわらずドアの前にはいつも中年のおじさんが立っている。ドアを開けて入ろうとするとアタマを下げたりする。それ以外の仕事は何もしていない様子。いったい何のためにあのおやじは立っているだろう。不思議だ。
 郵便局が無くなったとして、誰かが困るのだろうか。
 私は少なくともまるで困らない。
 郵便貯金もしていないし、簡易保険とも無縁だ。年賀状も書中見舞いも書かない。たいていの用件はメールで済ませている。小包もほぼ100パーセント業者の宅配便を利用している。
 ……要らないな。
 よろしい。
 すっきりツブれてくれ。
 
※MACLIFE廃刊
 MACLIFEが2月号の発売を待たずに突然廃刊するらしい。知人からのメールで知った。
 iMacの新型が発表されたばかりだというのに、このタイミングはどういうことなんだろう。
 MACLIFEは創刊の頃から行き来のあった雑誌だし、編集部にはいまも知り合いが多い。
 他人事のような気がしない。
 BNNも倒産ということになるようだ。
 一時期はBNNの社内に事務所を置いていたこともあるだけに感慨深い。
 うーむ。